※使用しているタロットカードは「マルセイユタロット」です。
タロットカード「星」の意味を数字から解釈してみる
「星」のカードは「17」という数字があてはめられます。
ここでは、まずこの「17」という数字についてみていきたいと思います。
二桁の数字を一桁に還元する方法で「17」を一桁にすると、「17」は「8」となります。
「17」は数字の「8」の「凝縮」という本来の性質を持ったまま、捉え方が逆相します。
また「17」は奇数なので、外に向いた数字です。能動的な作用を持ちます。
つまりこの場合、内側に閉じこもり凝縮し溜めていったものを外へ流す、ということが起こります。
外からの影響を溜めこみつつも定期的に放出するというイメージになります。
この作用は、ダムのような役割にみるとわかりやすいかもしれません。
ダムは、治水に利用されたり、あるいは、発電にも利用されています。
ため込む水は、雨など外から与えられるものです。ある程度溜めこんだあと、それを放流することで私たちに「電気」や「飲み水」という恵をもたらします。
ちなみに「数は何を語るのか」という本によれば、「17」という数字は「ノアの箱舟」でも知られている旧約聖書に出てくる大洪水とも関連しているとか。
このあたりについては諸説あると思いますが、「数は何を語るのか」をもとにご紹介すると「洪水は2月17日に始まり、7月17日終わった」とされています。
そして「17」という数字は、「征服の数」である、ともいいます……
ダムにしても洪水にしてもそうですが、「17」という数字は「水を制する」ということも関係しているのかもしれません。
ところで。
水を制する、といえば、徳川家康による江戸の治水事業のお話を思いだします。
今の東京の街があるのは、家康が江戸の町を作るのに水を制したから、といっても過言ではないそうです。
もともと江戸の地は泥湿地でかつ遠浅の海が江戸城のふもとまであったとか。
そして埋め立てをしなければ町も作れなかったのですが、町を作って人が住んでも飲める水がなく、井戸を掘ろうにも井戸の水は塩からくて飲めないなど当時の治水工事は大変な事業であったそうです。
けれども、その基礎のもとに400年後の世界最大都市の東京があります。
まさに「信念に基づく日々の努力と長期的なプロセスが理想を実現する」という意味を持つ、「17」の星のカードに相応しいお話だなぁ、と思うわけです。
タロットカード「星」の意味を絵柄から解釈してみる
人物
覆うものがなく受容性を表す裸の女性
前の「塔」のカードで、覆っていた自己の殻が砕かれます。するとあらわれたのが、身に着けるものもない裸の女性。
覆うものも隠すものもなく、外からのメッセージを素直に受け取ることができるようになります。
また、星々のもとにいるこの女性は、大きな力と地上とのパイプ役を担う、ともいわれます。
「なにも持っていないようで、なんでも持っている」といえばいいでしょうか……
星から希望やビジョン、使命を受け取っている様子が、この人物からうかがうことができます。
池
毎日の生活の場となる池
池はカードの左側下にあります。この位置は、個人の能力や知性を表す位置でもあります。
池は日常の生活に欠かせない「水」が溜まっている場所であることから、「日常の場」の象徴ともいえます。
星から希望やビジョンを受け取った裸の女性は、個人の能力や知性を育もうと、日常の場である池に水を流しているのかもしれません。
水は「情」や「感情」などを表しますが、自分の気持ちとビジョンを一致させることで、物事の実現を図ろうとしている姿をみることができます。
さて。
私にとって「星」のカードの絵柄は、「星に願いを」のイメージと重なります。
日本でも「七夕さま」というものがありますが、星に希望を見るのは真っ暗な夜空でも輝いているからでしょうか。
辛いことや悲しいことがあったとき、夜空を見上げることがなんどとあったでしょう!
大阪の市街地でもカシオペア座とオリオン座だけは見つけられるんですよ。
知っている星座を見つけるとちょっと元気になるので不思議です。
タロットカード「星」の意味をフランス語から解釈してみる
大アルカナの「星」
このサイトでご紹介しているタロットはGrimaud社のマルセイユタロットであるため、フランス語名についても少し触れておきたいと思います。
フランス語(マルセイユタロットのグリモー版)では「L’ETOILE」
タロットの日本語表記と同じで、辞書にも「星」とでています。
「星」には希望や理想、というイメージが与えられていることが多く、芸能人では「トップスター」やスポーツ選手では「スター選手」などといわれていることがあります。
ミシュランにならってか、最近では日本でもレストランやホテルの人気を「星」の数で表現しているところが多くなったように思います。
ミシュランは覆面調査が有名ですが、必ずしも人気度を測っているのではなく、質の高さを「星」で評価しているそうです。
いずれにしても、「星」という言葉に憧れを抱くことは、少なくないようです。
ちなみに、大学生の頃、当時はパティシエを志していたこともあり、ミシュランの三ツ星レストランは貧乏学生のわたしにも憧れでした。
日本でためたお金とフランスでの生活費を節約したお金で、友人と地方の三ツ星レストランへ行ったことがあります。
清水の舞台から飛び降りるようなもので……レストランの予約するところから、てんやわんやの大騒ぎ。
当時はインターネットも今ほど普及しておらず、学校の公衆電話でレストランに予約をいれたのですが、最後の言葉が聞き取れない?!! などのハプニングがあったり、レストランを予約したものの、正装ってなんだ?! とか、そんな服は持っていない! など(笑)
いろいろありましたが無事にレストランで食事ができ、しかも日本人の学生だ、ということで、厨房まで案内してくれたという!
とはいえ、あまりにも食べ過ぎた私はその夜はいろいろと大変なことになってしまい……最後の晩餐か?! というぐらいの勢いでしたから……今はよき思い出です(笑)
しかしあのとき案内してくれた三ツ星レストランの厨房。
これが厨房なのか?! というほどきれいだったことを今でもよく覚えています。まさに、星が輝くほどピカピカな厨房でした。
タロットカード「星」から恋愛を読む
まだ相手がいない場合の「星」からのアドバイス
「星」は「希望」や「理想」を表すカードです。
誰かから告白されたり、憧れていた人と恋愛に発展したり、理想の人と出会ったり……「こうなったらいいなぁ」が現実になることを暗示させます。
もし、「こうなったらいいなぁ」がないんだよなぁ、という人は、ここはぜひ! 「こうなったらいいなぁ」を描いてほしいです。
理想の人が目の前にいるとしても、その人に興味を持たなければ、ただの人。
けれども「こんな人がいいなぁ」とか「こうなったらいいなぁ」を持っていると、その意識が「あ!この人、ええんとちゃう?!」と、目の前に理想の人がいたら知らせてくれます。
あとは、オープンマインド。素直な気持ちで、受け止めてください!
恋人とギクシャクしてきたときの「星」からのアドバイス
パートナーとギクシャクしてきたときに「星」がでてきたら、いちど、付き合い始めたときに相手へ抱いた恋心ことを思い出してみてください。
決して、「昔はよかったのに……」という思い出ではなく、パートナーへの恋心。
パートナーとの関係に「希望」を表すのが「星」でもあります。
だからこそ、その先のパートナーとの未来を思えば、ここで、トキメキを取り戻して出会った頃のワクワクした気持ちやドキドキする感情を呼び起こしてみると、ぐっと親密な関係を育むこともできるでしょう。
トキメキを取り戻すのに「恥ずかしい……」なんて、いつもオープンマインドの「星」にはカンケイナイんです。
星のカードはいいます。
「自分の素直な気持ちに『恥ずかしい』なんてあるもんか!」と
トキメクことができるって……ほんとうに素敵なことだと思います。
タロットカード「星」から仕事を読む
仕事のキーカードで「星」が出てきたなら、理想は高く持とう!
先の見通しは明るく希望が持てる状況にあるのが「星」の意味するところです。
ここでいちどビジョンを再確認して、今より高い理想を掲げるのも良しです。
希望や理想が目指す目的地となり、前に進む力となります。
そして、どこに向かいたいのかさえ分かっていれば、どれだけ時間がかかっても、そこに向かって歩いている限り、たどり着くのですから。
「こっちだよー」と目的地を照らす星のメッセージを受け取りながら、ワクワクした気持ちとともに、歩んでほしいと思います。
タロットカード「星」の意味つれづれ
「星」カードは、その象徴やその絵柄から、可能性に溢れたカードでもあります。
一方で、保護するものがないために、不安定さがあったり、危険と隣り合わせにある、と見ることもできます。
ところで、星から希望やビジョンを受け取るといえば占星術もそうでしょう。
星の示す理を解き、自分に活かすことができたなら、それはきっと大きな力になるのだと思います。
それと、星で思い出すのが「星の王子様」
フランス語を学び始めたころ、「星の王子様」のフランス語版を買ってきてノートに書き写し、辞書を片手に片っ端から単語を調べて訳したものです。
フランス語の文法も習い始めたばかりの頃でしたから、頭の中に残っている英語の知識も組み合わせて、なんとか最後まで訳しきったことを覚えています。
でもそれからでした。フランス語が頭の中にするするとはいっていくるようになったのは。
なかなか大変な作業でしたが、まさに、信念と日々の努力で理想が結実するものですね。
「星」のカードを見ていると当時のことが思い出され、毎日続けることが力になることを知っているだけに、ほんとうに希望が湧いてくるカードです。
ここまで「星」についてみてきました。
少しでも「星」に親しんでいただけましたなら、嬉しい限りです。
※参考図書
- 数の原理で読むタロットカード 松村潔(星和書店)
- 魂をもっと自由にするタロットリーディング 松村潔(説話社)
- 大アルカナで展開するタロットリーディング 実践編 松村潔(説話社)
- 数は何を語るのか F.C.エントレス、A.シンメル(翔泳社)
- タロットの秘密 バーバラ・G・ウォーカー(魔女の家Books)
- タロット象徴事典 井上教子(図書刊行会)
- ロワイヤル仏和中辞典 (旺文社)
- Le Robert Micro Dictionaire De LA Langue Franaise (DICTIONNAIRES LE ROBERT)
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