タロット―カードの占い方として、ケルト十字やヘキサグラムなどの展開を行うことがあります。
このときの「キーカード」に「女教皇」が出てきたらどうなるだろう?
ここでは特に、恋愛と仕事の両面から「キーカード」を読むコツを、大アルカナの「女教皇」にみていきます。
また、「こんなときは『女教皇』を意識してみて!」という、「女教皇」からのメッセージとして、タロットカードの1枚引き(ワンオラクル)にもご活用ください!
※使用しているタロットカードは「マルセイユタロット」です。
※ここでお伝えすることは、「必ずこう読もう」というものではありません。ご相談内容や展開されるカードによって、読めることも異なります。あくまでも、よくある一例、としてご参考頂ければ幸いです。
タロットカードの「女教皇」をキーカードとして読むコツ
「女教皇」には派手さがないため、恋愛や仕事向きではない、と思ってしまうことがあるかもしれません。ただ、それでも時には、キーカードとして出てくることもあります。
イメージが暗いカードに対しては、読む側も言葉選びをしてしまうかもしれませんが、そのカードの本質さえつかんでいれば大丈夫です。
では、「女教皇」のどこをつかんでおくのか……ということになると、やはりここでしょうか。
「女教皇」は「過去を前提にしている」ところです。
ある場面において「女教皇」がアドバイスとして出てくるということは、「過去」のことがキーポイントになっていると考えられます。
ところが、「過去」というと……あまりいい印象を持たれないのです。
それには、心理的な事情があります。人は、楽しかったことよりも「しんどかったこと」や「大変だったこと」「苦しかったこと」の方が記憶に残りやすいといわれています。これが、「過去」をどこか暗いイメージに仕立てるわけです。
でも、実際はそうではありませんよね。
悔しさで泣いたことも、茫然自失したことも、怒り狂ってしまったこともあるでしょう。だからといって、笑ったことも喜んだことも感動したこともあるはずです。
すくなくとも、今ここにいる、ということは、たとえどんな過去があったにせよ、それを乗り越えてきたからわけですから。
そんな過去に光をあてようとするのも、「女教皇」だったりします。
常に受け身となり動きもすくない「女教皇」ですが、酸いも甘いも知り尽くし、どんなことにも動じることなく、最も度胸が据わっているのも「女教皇」なのかもしれません。
「あなたにはこれまで積み上げてきた歴史がある。だから大丈夫。流れに身を委ねてみて」と教えてくれるカードです。
タロットカードの「女教皇」が恋愛のキーカードとしてでてきたらどうする?
では、恋愛における「女教皇」のアドバイスとはどういうものとなるでしょう?
そこで……ここでは2つの場面に対する「アドバイス」について「女教皇」の意味を考えてみたいと思います。
①ひとつめは、まだ相手がいない場合。
②ふたつめは、相手とギクシャクしてきたとき。
まだ相手がいない場合の「女教皇」からのアドバイス
「女教皇」は、「過去」にキーポイントを持つカードです。また「過去」といっても、自分の記憶がある範囲での「過去」というわけでもありません。自分が生まれる以前から、「人」としてあるいは「人」へと進化する過程で積み上げられてきた古い古い記憶も背負う「女教皇」です。
そんな「過去」は、「無意識」といわれてみたり「本能」といわれることもあります。
また「女教皇」は、自ら動くことをしません。常に受け身であり、与えられた恩恵を享受する、そんな存在です。
そんな「女教皇」が、恋愛の出会いを求めているときにアドバイスするのは……「本能にまかせて」
もしかすると、「もう出会いなんてないんじゃないか!」などと焦る気持ちを持っているかもしれません。自分からアプローチをするのにうまくいかない……という状況があるかもしれません。
でも「女教皇」はいいます。
「もうダメなんて思わないで。そんな妥協と焦りは捨てて。大丈夫。あなたがほんとうに願う方向に、ちゃんんと向かっていける」と。
さて、ここでひとつ大切な補足があります。
ここでいう「ほんとうに願う方向」は、自分の想いと一致しているかどうか、がとても大切です。
「女教皇」のいう「ほんとうに願う方向」というのは、無意識にある本心です。頭で考えている願い、ではありません。
どういうことかというと……
たとえば、「結婚したい!」と思っている人がいたとします。もちろん、婚活にも積極的に参加します。ところが、一向に「相手」が見つかりません。
そんなとき、無意識のなかに子どもの時の両親の不仲の記憶が残っていたとします。
母親は、いつも父親の愚痴をこぼしていたかもしれません。
「結婚したら自由がなくなるからやりたいことは結婚するまでにやっていた方がいいよ」ということがあったかもしれません。
これらの記憶は無意識にあることなので、全く覚えもないかもしれません。ですが……記憶をたどってみると「あ、そういえば……」ということはよくあります。
「結婚したい」という気持ちと行動に対し、「結婚をしたら自由がなくなるよ」と、無意識がささやきます。
するとどうなるか……
意識(頭)で思っていることと、無意識(心の奥底)で思っていることが一致していない場合、「やることはやっているのに思うようにならない」が起こるのです。
「仕事も楽しいしやりがいもある。経済的にそこそこ自立もできている」という現実があったとすれば、「結婚をしたら自由がなくなるよ」と無意識に思っているのに、「彼(彼女)」の先に「結婚」が微かにも見えるような出会いを本気で求めることができるでしょうか……
もちろん、彼(彼女)ができたからといって、結婚をしなければならないわけでもありません。ただ、最も身近だった男女関係の手本である「両親」が不仲であれば、自分もそうなりたくない、と、男女関係に手を出すこと自体、無意識で躊躇してしまうこともあるでしょう。
これはあくまでも、「ほんとうに願う方向(無意識にある本心)」の一例です。ですが、「こうなったらいいなぁ」と思っていることと、無意識にある気づかない本心にギャップがあると、なんで思うようにいかないの! ということは往々にしてあります。
もし、なんどやっても思うようにいかない現実しかでてこないならば。
「女教皇」がいう「ほんとうに願う方向」を見つめてみるのもいいかもしれません。
恋人とギクシャクしてきたときの「女教皇」からのアドバイス
相手とギクシャクしてきたときに「女教皇」が出てくるときに注目したいのは、「女教皇」のじっとしている、という姿勢です。
いちど、こちからは連絡をしない、ということがあってもいいかもしれません。ついつい口にしたくなることがあっても、いったん飲み込んでみる、をしてもいいと思います。
兎にも角にも……自分からは動かない。なにもしない。
もしかすると受け身になることが難しいかもしれませんが……一定の期間を決めて、すくなくともそのあいだは「じっとしている」を意識してみてほしいのです。
「女教皇」がアドバイスとして出てくる場合、状況としては、常に相手に反応をしてしまって、お互いに興奮していたり緊張していることが多いように思います。
オウム返しの状況があるから、いったん、一方がじっとする。それだけで興奮が冷めます。興奮が冷めると、冷静に状況を見つめる時間が持てるようになります。
そうして冷静になったとき、思い出してほしいのです。相手と一緒にいて楽しかった思い出や嬉しかった思い出を。
興奮や緊張のなかでは、なかなか「いい思い出」を思い出すことができません。先にもお話しましたが、何かと気になるのは「嫌なこと」だからです。興奮が冷めてようやく、「いい思い出」が蘇ります。
女教皇はいいます。
「相手の反応を受け取るだけ。こちからは反応を返さないで」と。
これからも彼(彼女)と関係を育みたい、と思うならば……じっとしていることも、時には必要です。
タロットカードの「女教皇」が仕事のキーカードとしてでてきたらどうする?
では、仕事における「女教皇」のアドバイスとはどういうものになるでしょう?
ここは全体的なアドバイスとして考えてみたいと思います。
仕事で行き詰ったときに「女教皇」がキーカードとしてできたならば、過去の事例や過去の資料、過去にやってきたことを総ざらいしてみてほしいのです。
そこに、今回の行き詰まりを打開するヒントがきっとあるはずです。
もしかすると、10年以上前に似たような案件が発生していかもしれません。
もしかすると、過去にボツになったアイデアが、今、活かせるかもしれません。あるいは、自分の当たり前にやってきたことの知識やスキルが役立つかもしれないのです。
「女教皇」は過去からの恩恵を享受するカードです。
仕事をしているときは、目の前のタスクや業務が気になるものです。特に最近の風潮で、「最先端」や「最新」を求められることも多くなっていると思います。だから、いつも前に進んでいなければいけない、という思いもあるかもしれません。
ですが、ここでいったん後ろを振り返り、過去にヒントがないか、を探ってみてほしいのです。
女教皇はいいます。
「未来は過去から作られる。これまでやってきたことにも価値はあるんだよ」と。
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