マルセイユタロット「吊るされた男」の意味を数字と絵柄とフランス語で徹底分析

タロットカード「吊るされた男」の意味を数字から解釈してみる

「吊るされた男」のカードは「12」という数字があてはめられます。
ここでは、まずこの「12」という数字についてみていきたいと思います。

二桁の数字は一桁に還元します。すると「12」は「3」となります。

「12」は数字の「3」の「生産性」という性質を持っていることがわかります。ただし、「3」そのものではありません。2番目の「3」です。「3」の対局に「12」が位置することになります。

ここでは、やり方が極になる、と考えるといいかもしれません。

外に向かって生産力を発揮していた「3」が逆相の「12」になると、生産力という本質はそのままに内側に向かいます。

つまり、自らの内面や精神性を活性化します。

一方で、「3」とは背反しますから、外側に対しては閉鎖的で、自己にこもることになります。

また「12」は「空間的に縛られる数字」ともいわれています。

ある空間のなかに閉じこもり魂の浄化をしている、とでもいいましょうか……

外に向かうことはありませんが、次から次へと新しいアイデアが湧いてくるような状況ともいえます。

もしかすると、身動きができない方が、精神力は充実するのかもしれません。

精神性が活性化する、というとやる気が出てきたり気力が湧いたり、ということを想像しがちですが、ここは様子が違うように思います。

そもそも、自分の内側を見つめることはなかなか難しいもので……
自分を直視する、となるとどうも……自己都合に見てしまったり、みたくないものは無かったことにしようとしたり。

はじめの一歩を出すまでが、なかなか大変かもしれないなぁ、と思うばかりです。

タロットカード「吊るされた男」の意味を絵柄から解釈してみる

人物

異常事態にある人物

人は、足を地に頭を天に向かうことが普通です。

この人物のように、吊るされて頭が地に向かっている状態は……普通では考えられない「異常事態」ともいえます。

片足は縛られ手は背後に回り、身動きが取れずに拘束されているようにもみえます。

にもかかわらず……自ら足を汲み、どこか余裕があるようにも伺える吊るされた男。

状況は異常ですが、心の余裕や精神力の強さがみえる図柄です。

ちなみに、組まれた足は「異なるエネルギーの交差点」を表します。
中央上部から中心に位置するこの足によって、何らかの異なる見解が社会的な立場に持ち込まれる、と読むこともできます。

これまでの常識が非常識となり非常識が常識となる……そんな現象が起きることを、示唆しているのかもしれません。。

「吊るされた男」といえば……高校生だったときにせっせと集めたマンガのワンシーン。
犯人の決め手となったカードが、この「吊るされた男」だったんですよね……

推理ものだといっても、コナンでは……ないですよ! 当時はまだコナンはなかったんじゃないかなぁ。さて、なんのマンガでしょうか?!

(答え「金田一少年の事件簿」デス)

タロットカード「吊るされた男」の意味をフランス語から解釈してみる

大アルカナの「吊るされた男」
このサイトでご紹介しているタロットはGrimaud社のマルセイユタロットであるため、フランス語名についても少し触れておきたいと思います。

フランス語(マルセイユタロットのグリモー版)では「LE PENDU」

実は……「絞首刑者」「首吊り人」という意味があります。

ただし「pendu」は、一般的には名詞ではなく形容詞で使われることが多いです。

形容詞の「pendu」は「吊るされた」「ぶら下がった」という意味となります。
カードの図柄でも、首をつっている、というよりも、吊るされている、と見る方が妥当だと思えば……

つまりこのカードは、人物そのものよりも、人物が陥っているその状況に注目をしていく方がいいのかもしれません。

通常ではありえない困難な状況にあるとき、私たちはいったいどんな心の状態になるのか?

ここが、このカードをみるポイントになるのではないか、と思います。

吊るされて身動きが取れなくなってしまうことが、必ずしも悪いこと、とは限りません。
たとえ身動きが取れなくとも、心まで縛られてはいません。
もしかすると、これまでよりいっそう自由になっているかもしれません。

このカードを見るたびに、ナチス強制収容所から生き延びたV.E.フランクルの言葉を思い出します。

人間はあらゆることにもかかわらず———困窮と死にもかかわらず、身体的心理的な病気の苦悩にもかかわらず、また強制収容所の運命下にあったとしても———人生にイエスと言うことができるのです。


「それでも人生にイエスと言う」春秋社

これは、私にとってのバイブルともいえる、1冊です。

タロットカード「吊るされた男」の意味つれづれ

「吊るされた男」のキーワードに、「芸術家」や「ノイローゼ」という言葉があります。

そんな言葉を眺めていると、ふと頭にめぐるのが、フィンセント・ファン・ゴッホ。
私たちでもその名をしっているほど有名な画家のゴッホですが、耳切り事件と自死についても私たちの知るところ。

芸術家だからノイローゼになるのか、ノイローゼになって芸術家となるのか……

それでも私たちは「人生にイエス!」はいえるのだからと、フランクルの言葉がよぎるばかりです。

ここまで「吊るされた男」についてみてきました。
少しでも「吊るされた男」に親しんでいただけましたなら、嬉しい限りです。

※参考図書