運気を上げよう!運気アップの秘訣!など、このような言葉が占いにつきまとうことは多く、たしかに、実際のニーズとしても「今がものすごく行き詰っていて、どうしたらいいのか分からないんです。今、運が悪いからでしょうか……いつになったら運勢がよくなるかを見てもらえますか?」といったご相談は多く寄せられます。
直観は当たる方で、「これは!」と思ったらやってみる方なんですが、最近は何をやっても裏目に出てしまって。
この頃は体の調子もあんまりよくなくて、気力が湧かないというか……やる気がでないというか……
それでも、こんなんじゃいけないっ!と思って気力を奮い立たせ仕事にも行くし、やることはやっているんです。
ただ気持ちが長続きしなくて。何か少しでもやってみると、すぐにしんどくなってしまうんです。
今年は厄年だから、どうしても運が悪くなるんですかね……今までそういうのはあまり気にしてなかったんですけど、自分がいる環境の変化も激しくて。
親しい人が亡くなったり、企画していた仕事が突然打ち切りになったり……あんまりいいこともなくて。
変化についていけないというかなんというか、とにかく、この、なんか分からないけどしんどい、っていう状態からから抜け出したいんです。
こういうのって気にし出すと切りがないし、結局は自分でなんとかしていくしかないっていうのも分かってるんですけど、ちょっとでもいいように変わるきっかけがあればと思いました。
こんなふうに話してくださる方もいます。
喪失や離別、病気や事故など自分にはどうすることもできない抗えない状況に遭遇し、これまでの日常が大きく変わることがあります。
その変化に気持ちがどんなに追いつかなくても毎日の時間は変わらず流れていて、なんとか気力を振り絞って過ごそうとしているときに、「うらないば、を見つけたんです」といって尋ね来てくださる方もいらっしゃいます。
そんなとき、私はよく「見えない流れ」との付き合い方についてお話をします。
そこで、改めて。
このブログでも、占い師が「見えない流れ」をどのように読んでいて、何を以って「運気を上げる方法」や「開運」を語るのか、私なりに思うことをお話したいと思います。
運気の流れを見る方法
占いの術として「見えない流れ」を見る方法があって、占い師は、その占術を使って、運気などの「見えない流れ」について読み解くことをします。
そのひとつに占星術を使う方法があります。
▶ホロスコープで運気を読む方法。占い師はなにをどう見ているのだろう?
またタロットだけでも、運勢を見ることができます。
運気を上げる、開運する、とはどういうこと?
占術を基に運気の流れという「人が受ける見えないものの影響」を読んでいると、誰にでも運気は流れていることがわかります。
けれども「運気を上げる」という表現は、ちょっとした思い違いを招いてしまうように思います。
なぜなら運気は上下する波のようなもので、上がるものだし下がるものだから。
そのため「運気を上げる」ということは、波のように上がったり下がったりするのが自然な運の流れを意図的に「上げる」ということであって、無理やりに目に見えない自然の流れを変えることになるわけですが、そもそも、その流れを手に取って触れてみることもできない人が、「変える」ことなどできないのではないか? と私は思っています。
そして世の中にたくさんの「運気を上げる方法」というのはありますが、これは「運気を上げる」つまり「目に見えない流れを変える」というよりも、その時々の運の流れに沿ってその人が動きやすくなるために「いい気を取り入れる」ということなのだと思います。
つまり……
運気の流れを変えることはできません
けれど、その上下する運気が流れる道を進もうとする人が、ちょっと疲れたなぁ……と思った時に、たとえばエネジードリンクや飴ちゃんをなめてエネルギーをチャージするように、あるいは、ふと見上げた夜空をみて「きれいだなぁ」と心が動かされるように、「もの」や身を置く「場(環境)」からいい気を取り入れることはできる
のです。
「運気を上げる方法」とはそのための方法ですから、持続力はなく瞬間的で、あくまでも、その時の気持ちを安らげるためのもの、つまり「気安め」です。
そして運を開く「開運」とは、上下に波打つのが自然な運気が流れる道を歩くその人自身が、願望や想いを遂げるために最善を尽くし、その願望や想いを遂げること。
ですから、どんなに占いで開運を願っても運気を上げる方法を取り入れても、気を安めたあとに、その人が動くことなしに運が開くことはありません。
開運するために占いができること
ところで、「運気を上げる」とか「開運」という言葉は占いのキャッチフレーズのようになっていますが、こういう言葉は人を引き付ける言葉だからこそ、よく使われているだけです。
また開運をするのは、あくまでも「その人自身」ですから、「占いで開運できる」というには誤解を招きかねないところかもしれません。
先にもお話したように、願望や想いを遂げるためにその人が動いてこそ、運は開いていきます。
そして占いにできるのは、その人が願望や想いを遂げようと動く過程でぶつかる根本的な問題に立ち向かえるようになるための後押しです。
つまり、占いの結果からアドバイスされた「運気を上げる方法」や「開運法」を試したからといって何かが起こるわけではなく、それらの方法を試すことで、その「もの」やその「場」が持っている気(エネルギー)を汲むことができ、そこから気持ちの切り替えがしやすくなり前よりも動きやすくなる、ということです。
そのため私は、あくまでも上下する気の流れに沿いながら
物や環境のエナジーを受け取る
ということから「道の先を進むために活かすもの」というスタンスで「運気を上げる方法」や「開運法」を取り入れられることをおすすめしています。
いい「気」を受け取る、ということについて
さて、ここまでに「運気を上げる」ことや「開運」についてお話をしてきました。
どんなに占いで開運を願っても運気を上げる方法を取り入れても、その人が動くことなしに運が開くことはありません。
けれども占いの結果からアドバイスできる「運気を上げる方法」や「開運法」を試し、「もの」やその「場」が持っている気(エネルギー)を受け取ることで、気持ちの切り替えがしやすくなり前より動きやすくなることがあります。
では……「もの」や「場」から「気を受け取る」とはどういうことなのでしょう?
ここからは、そのことについてお話をしていきたいと思います。
「気」とはなに?
たとえば「気のいい人」「雰囲気のいい場所」などという表現がありますが、人や場所に「気」という言葉が使われています。
無意識に人は、そういう「気」というものを感じることができるのでしょう。
それを「オーラ」などという言葉で表現されたりもしますが、感覚的に誰でも、「なんとなく感じる空気の帯のようなもの」を人や場から感じることができるのです。
なぜなら、人や自然のものには微妙な電気が流れているからです。(これは、地球の構成や人の神経細胞が働く仕組みなどを学ぶと納得いただけると思います)
そのため電気が流れているもの同士が近づくと磁力といった電気的な反応が起きるのですが、それが心地いいと感じると「気のいい人」や「雰囲気のいい場所」となるわけです。
それは、ある種の化学反応のようなものといってもいいのでしょう。
つまり「気」は、電気が流れている人も含め自然物や自然物を加工したもの(たとえば鉱物を加工した宝石の類や石や木造の建築物など)であれば発していると考えます。
そして、「もの」やその「場」が持っている気(エネルギー)を受け取るとは、そういう「もの」や「場所」に近づくことで化学反応を得ること、と言い換えてもいいのかもしれません。
「気の流れ」をよくするにはどうしたらいい?
ところで、そんな「気」に対して「気が重い」や「気の流れが悪い」という表現もあります。
たとえば、なんとなく体に重怠い感覚があると「気が重い」とか、なんとなく嫌な雰囲気がする場所にいると「気の流れが悪い」など。
「気」とは電気の流れでもありますから、その流れが悪いと「気が重く」なったり、その流れが滞っていると「気の流れが悪い」となるのでしょう。
では、「気の流れ」をよくするにはどうしたらいいのでしょうか?
「気」とは「目に見えないもの」ですから、人であれば、同じように目に見えない「感情」や、場所であれば、目に見えない「風」と同じように考えてみるといいと思います。
ここでは「風」を例にして考えてみたいと思いますが……
「風」は直接的に目で見ることができませんが、空気の対流は風鈴などで知ることができます。その場所に風が流れていれば風鈴が鳴るわけです。
あるいは、木の葉が揺れていたりリボンや布などの軽いものがヒラヒラしていると、そこにも風が流れていることがわかります。
そして風の通り道が塞がっていると、風はそのままには流れていきません。塞ぐものにぶつかり分散します。「気」も同様で、通り道が塞がると流れていくことはできず、分散します。
また匂いのきつい場所を風が流れれば、その場所にいなくとも、きつい匂いが流れてきます。つまり「気」も、流れる場所が汚れていては「汚れたものが流れてくる」ということです。
「気」というとスピリチュアル的に考え神格化されたり特別視されることも多いのですが、「風が通るところは気も流れている」と考えてみると、特別視することなく、もっと親しみあるものになっていくように思います。
そして先ほどもお話したように、「気」とは、人だけではなく、どんな生き物にも自然物にも、加工されていても自然物であればどんなものにもあり、互いに影響し合っているのだと思います。
「運気」と「気」の違いの区別
ところで、私は「運気」と「気」を区別して捉えています。
なぜなら、占いをする上ではこの「運気」と「気」の考え方を分けておかないと曖昧になりやすい部分でもありますし、ここをポイントできていないと占術を読み誤りかねないからです。
そのため、ここでお話する「運気」と「気」の違いは、あくまでも私が占術から「運気」や「気」を読むときにベースとしている考え方であることをご了承ください。
さて、私は「運気」や「気」を下のように分けて考えています。
- 運気→どこかから運ばれてくる「気」
- 気 →そこにある「気」
「運気」は、どこからともなく流れてくる「気」のことで、それを「宇宙の流れ」という人もいるでしょう。
どちらにしても、勝手に流れてくるので自分ではどうしようもなく、その影響を受けてしまわざるを得ず、抗えるものではない「気」、といってもいいと思います。
一方で「気」とは、自分にもあって自分以外の人にもあって、自然のものであれば本質的に備わっているもの、と捉えています。
そして、自分の「気」と誰かの「気」が交わることで、気が合う仲になるのでしょうし、男女であれば恋愛に発展することもあるでしょう。
あるいは自分の「気」とものや場所の「気」が交わることで、元気になったり癒されたりするのでしょう。
となれば、自分の「気」とどこかから運ばれてくる「気」が交わることで発生する磁力もあるはずです。
どこかから運ばれてくる「気」が自分や周りの「気」に作用し、そこから引き起こされる状況や出来事が自分にとって「いいこと」であれば「運気がいい」といい、自分にとって「悪いこと」であれば「運気が悪い」ということもあるでしょう。
たとえば、運気が自分の「気」に作用することで、これまでの状況から「心機一転」を促すような流れが生じたとき、それが「結婚」であるのか「離婚」なのか、あるいは「失職」なのか「起業」なのか、大事な人の「喪失」なのか「病気」なのか、その人に合わせた出来事が引き起こされるのです。
これが「運気」の作用です。
そして、その作用はどのような影響を引き起こし、その作用はどの程度続くのか、あるいは、その作用からどんな出来事が起こりやすいのか、その作用の影響がある期間はどのように過ごすといいのか、を読み解くのも占いの技術でもあります。
もちろん、引き起こされた出来事が「いい」ことか「悪い」ことかは、その人がどのように感じるのか? にかかっています。なぜなら、その時の状況によって、離婚や失職が「いいこと」と捉える人もいるのです。
そのため、占いから、その出来事が「いい」か「わるい」かの感情的な判断をすることはできません。
けれども占いで、その出来事が「これからをもっと自分らしく生きるために心機一転を!」というきっかけになる出来事だと読むことはできる、というわけです。
運気をよくしたい!開運したい!となったときに大事なこと
だかこそ、占いなどを使って「運気をよくしたい!」「開運したい!」となったとき、忘れてはいけない大事なことは、こちらの記事でもお話していますが
▶運気が悪いとき良いときの過ごし方。言葉に惑わさず自分らしく過ごしていこう
自分が運の流れにどう沿っているのかを知ること
そして、運気がいい、わるい、という言葉に惑わされないこと
占いから読み取れる「見えないものの流れ」とは、単なる「いい」「わるい」ではありません。
なにがどういう風だから「いい」といえて「わるい」となるのか、その人にとってどんな影響がありそうで、どうするとどんな流れに沿って行く可能性があるのか、あるいは、その人の持っている「気」が乱れていたり滞りが起こっているなど、このようなところまで読み取ることができるのも「占い」です。
だからこそ、そこからどう動くのか、を考えるヒントとしても活かせるわけです。
それに「運気がいい」「運気がわるい」の他人の言葉だけで、自分の納得いかないままには前へ進むことはできませんから、自分で考え判断し動いていくことは大事です。
もちろん、そのためには「自分が何をどのように感じて、どうしていきたいのか」などの自分の願望や想いを誤魔化さずにいることが必要ですが……
もし「自分が何をどのように感じ、どうしていきたいのか」の感覚が鈍っていて自分を感じることが難しい状態になっているならば。あるいは、その時々の運の流れの影響がしんどくて動きが鈍っているならば。
こういうスタンスで、私は運気を上げる方法や開運法をお伝えしています。
どこからか勝手に流れてくる「運気」の波を変えることなどできないし、どうしても影響し合ってしまうものだから、だったら、その流れから引きおこる出来事や経験を避けようとするのではなく、沿っていくことで、これからを生きるための力や知恵に変えていこう。
そんなふうに、占いをうまく活かしてほしいと思います。
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