たとえば今の仕事を辞めようかと考えるとき、「仕事を辞める=逃げる」といった思いが浮かんでくることはないでしょうか……
仕事を辞めることが「逃げること」だと思ってしんどくなっていませんか?
今の会社に入って5年。
最近になって、ほんとうにこの仕事をずっと続けていられるのだろうか?と思う。
去年、上司が交代。正直、今の上司とはあまりウマが合わないし、周りの空気も何となく重たくて、仕事がそれほど楽しいと思えなくなっている。
もっと自分に合う仕事があるんじゃないか?と思うこともあって、転職が頭に浮かぶ。
だけどこれって、今が思うようにならない状況から逃げたいだけなんだろうか?
今の仕事で成果が出せないから逃げているだけ?
上司とうまくやれないから逃げだしたいだけ?
そんなことを考えると転職にも前向きになれなくて。今の会社も給料面では悪くはないし、転職が上手くいくとも限らない。でも今の会社に行くのがしんどいのは……たしか。
自分でもどうしたいのかが分からなくなっている……
たとえばこんな風に。
「仕事を辞める=逃げる」と考えてしまうと、今の仕事の方に留まろうとする考えが次から次へと浮かんでくると思います。
たとえば、お給料のこととか、先が見えない転職活動への不安とか。それを考えると転職への気持ちはどんどん弱くなるでしょう。
でも、行きたくないものは行きたくないし、面白くない仕事はやっぱり面白くないし、嫌いな上司は嫌いだと思う気持ちは、どれだけ消そうとしてもあるわけです。
それに、その状況から逃げたい、と思うことはダメなわけでもないはずです。
ところが「逃げる」という言葉がネガティブに思われることも多いようですが、言葉自体に「ポジティブ」や「ネガティブ」といった感情はありません。
言葉に特定の印象を持ってしまうのは、その言葉に反応する人の心があるだけです。
「逃げる」をネガティブだと感じてしまうのは、そこに「逃げたくない」という気持ちがあるのでしょうし、「まだできる」といった自分への期待や会社への期待を少なからず持っていることもあるでしょう。
もしそうなら、自分が納得するまでとことんやってみてもいいとは思います。
けれども、「逃げる」という言葉に罪悪感や負い目を感じていると、ほんとうは心身ともに限界に近く「ホンマにもうアカン」状態なのに、無理やりにでも頑張ろうとしてしまうことって、意外と少なくありません。
「逃げる」という言葉の印象が、自分の心を縛ってしまうのでしょう。そして、自分を厳しく追い込んでしまうのです。
シンプルに考えてみよう
「仕事を辞める=逃げる」をいったん棚に上げて、物事をシンプルに考えてみましょう。
要は……今の仕事を続ける理由がみつかれば続ければいいし、理由がなければ転職に向かえばいいんです。
転職活動をするからといって、今の仕事を辞めなければならないわけではないし、有休をとって活動してもいいわけです。転職活動がしんどくなったり面倒になったら、中断してもいいんです。
他の仕事を経験したいだけであれば、同じ会社で異動の希望を出すことを考えてもいいんです。
それに「とりあえず転職の情報だけでも集めてみる」など、簡単にできそうなことからとりあえずやってみる、でもいい。
もちろん、仕事を辞めて何もしない時間を持ってもいいんです。
シンプルに考えるためのコツ
とはいえ……自分の状況に合わせて「どうしたいのか?」をシンプルに考えるには、ちょっとしたコツが必要です。
そのコツはというと……
未来のことを考えるより先に、今と過去を整理することです。
まずは今の整理です。
今思っていること、考えていることを、どんな小さなことでもいいので紙に書き出してみましょう。
ただし、どんな罵詈雑言であっても、思っていることを全部出してあげることが大切です。
そして思っていることを出せたなら、それを眺め「あぁ、こんなこと思ってるんやなぁ」とつぶやいて終わりです。それ以上考える必要はありません。
次は、過去にもどります。
これから先のことを考えるより前に、今までやってきたことを振り返ってみましょう。
今がどんな状況にあったとしても、ここまで歩いてきた道のりがあるはずです。
もし、ここまでやってきたことに対して、「よくがんばった」「ご苦労さん」と今まで思うことがなかったら、この機会に、「がんばったね」「よくやってきたね」と、ちゃんと労いの言葉を自分にかけてあげましょう。
最も効果的な労い方は、自分で自分の頭をやさしくなでながら「私、ようやってる」と口に出して自分に言ってあげることは大切です。
どれだけ前向きになろうと自分に言いきかせても、重苦しい気持ちがなくなるわけではありません。
心がしんどいままに会社に行けば、仕事も上司も余計にしんどくなってしまう悪循環がめぐります。
もし重苦しい気持ちを持っているのに「それではダメだ!」と前向きになろうとすればするほど、心の負担とプレッシャーとなりかねません。
重苦しい気持ちをすぐに切り替えることができればいいのでしょうが……電灯のスイッチのように、ボタン一つ押せば気持ちをすぐに切り変えられるスイッチなどありません。
ただそんなスイッチがなくても、抱えている気持ちをすべて紙に書き出したり、「私、ようやってる」と自分を労う言葉は、気持ちを切り替え考え方をシンプルにするきっかけとなってくれましょう。
そうして気持ちを落ち着かせてから、「自分はほんとうはどうしたいのか」をシンプルに考えてみませんか?
そしてもし、シンプルに考えることがひとりで難しいときは、いつでもご相談ください。
うらないば、では、年齢問わずこれからの人生についてのご相談は多く、さまざまな人生の転機を迎えれらた方が訪ねてくださいます。
どんなお話も、お伺いします。
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