※使用しているタロットカードは「マルセイユタロット」です。
タロットカード「戦車」の意味を数字から解釈してみる
「戦車」のカードは「7」という数字があてはめられます。
ここでは、まずこの「7」という数字についてみていきたいと思います。
「7」が表すのは「運動力」です。
それは、行動すること。
行動の原動力となるのが「落差」です。
「ここにはないなにか」を持っているから、行動を起こすことができるからです。
その「落差」は、葛藤などといわれることもあるでしょうか。
落差が大きければ大きいほど、運動力は大きくなります。
この行動力は、発展をもたらしますが、一方で、暴走する可能性もあります。
「7」の数字は、壁にぶつかるまで一直線に行き続けるしかなく、とどまることや循環することを知らないため、活発で攻撃的なエネルギーです。
一直線に進み続けるには、目の前に障害物があっても勝ち続けなければなりません。
迂回や周り道、という選択肢がないため、「7」の力を持っていると、どんな無理難題を突き付けられたとしても、いともかんたんに突破することができるでしょう。
この力は、人生の突破力になります。
がむしゃらに行動し前に進み続けることはエネルギーも必要ですし、なかなか大変なものです。
ですがその経験があればこそ、困難だと後ずさりしそうになるような出来事が起こったとしても、ひるむことなく、過去の経験を活かして、冷静に対処できるようになるのでしょう。
周りのことが見えなくなるほど、がむしゃらに生きる時期は、人生においては必要なのかもしれません。
仕事も子育ても、自分なりに良かれと思い、がむしゃらにしてきたつもりが、はたっと気づくと子どもの様子が……
そんなこんなで、前職を退職しフリーランスになりました。
でも、やっぱりあの頃、がむしゃらにしておいてよかったなぁ、とも思っています。
もちろん、今、その頃のことを客観的に見ることができているからであって、当事者にあるときは……突っ走り続けるしかありません。
個人的には、「7」という数字をずっと体現し続けるのはしんどいと思っています。心をマヒさせたら、しんどい、というのは無くなるかもしれないけれど。
私はむしろ、壁にぶつかって強制終了になる方が、よほどラッキーだと思う。
心はマヒさせることができても、どのみち、物質である体の方は先に崩れだろうし。
心と体が壊れても再生する力はあるから……心をマヒさせ走り続けられるなら、それもまた、よし、なんやろうけど……それもなぁ。
などと思いをはせてしまう、個人的には、いわく付きの「7」なのです。
タロットカード「戦車」の意味を絵柄から解釈してみる
馬
精神性と物質性を表す二頭の馬
青は精神性をあらわし、赤が物質性を表します。
前のカード「恋人」に描かれていた左右の女性が、「戦車」のカードで二頭の馬に変化した、と捉えるといいかもしれません
この二頭の馬は、対立しています。
一方で二頭の馬は、物質面や感情面を象徴する下層に描かれ、どちらも「個」や「意志」を示す左側を向いています。
対立と指向性がなければ、戦車は前に進むことができません。
ですが、二頭の馬を放置しておくと、個人の欲に暴走することがあります。
ここは、手綱さばきが問われるところです。
天蓋
保護と遮断を表す天蓋
天からの保護を受けている天蓋。
超人的で不思議な力によって、この戦車には突破力があるでしょう。
一方で天蓋は、人物を戦車のなかに閉じ込めています。
人物を閉じ込めることで他の意見を寄せつけず、その意志を固めさせている、とも読めるでしょう。
人物
肘で他を押しのける人物
人物の肘が、社会性を表す位置で曲げられています。
「肘鉄を食らわす」という言葉があるように、肘は「押しのける力」「主張する力」を象徴します。
それが社会性を表す位置で曲げられていますから、人物の動きに、他を押しのける排他性がみてとれます。
勺
男性的な象徴である勺
勺は男性的な象徴を持ち、攻撃性や積極性を表します。
また直線的で、上下に持つと、天からの回路となる役割を持ちます。
ここでは、カードの左側に描かれていますから、意志の固さでどんな障害をも突破する力がある、とみてとることができます。
図像をみる限り、人物は守られている印象があります。
車に乗っていることや、頭の上に天蓋があることで。
「7」という数字の運動性を表わすには、その激しさを垣間見ることはできないのですが……
自分で手綱をひいているはずが、実のところ、箱に入れられ操られている……そんな「7」ほど、厄介なものはありません。
自分の置かれた状況や、その行いが客観できないことには……マリオネットやん! って……ついつい力がこもってしまうのは……ふと、昔にいたあの人を思い出してしまうからでしょうか。
タロットカード「戦車」の意味をフランス語から解釈してみる
大アルカナの「戦車」
このサイトでご紹介しているタロットはGrimaud社のマルセイユタロットであるため、フランス語名についても少し触れておきたいと思います。
フランス語(マルセイユタロットのグリモー版)では「LE CHARIOT」
「四輪の荷車」という訳があてはめられています。
ちなみに英語で「CHARIOT」といえば、古代ギリシャやローマ時代の戦闘用馬車をさすようです。
「馬・荷車・人」で一体です。
タロットで描かれる「馬・荷車・人」は、それぞれに象徴的な意味を帯びます。
「馬」は感情体。「人」は知性。「馬車」は肉体。
これが、タロットの世界観。
人のありさまが、流れにそって描かれていのが、タロット、なのです。
数字がひとつ加わるごとに、成長進化を物語るのかもしれません。
ところで……辞書には最新で使われる意味が表記されるているのでしょうね。
フランスでは、「CHARIOT」という言葉がレストランなど使われています。それは、お料理を運ぶワゴンの名前で。
たとえば、チーズやデザートを大きなワゴンに数種類のせてテーブルの前に運んできて、そこからサーブが切り分けてくれるのですが……
これを「le chariot à desserte」というほどです。
ちなみに、レストランでchariotに乗って運ばれてくるデザートたちはどれを選んでもよく、すべて選んでもいいのですが……
あ~あ。。。思い出すだけでよだれがでそうや……甘いもんが食べたくなってきた……
タロットカード「戦車」の意味つれづれ
戦車は、その力とエネルギーが大きいだけに、使い方しだいで人を傷つけてしまったり、自分を壊してしまったり……
暴走させてしまうと、手に負えないことにもなりかねません。
中学生の娘をみていると、ときどき、戦車を思春期の子どもに重ねてしまうことがあるのですが……
エネルギーを発散できる「なにか」に目標を見いだせると、戦車の運動力や攻撃性は、自分を輝かせる源にかわります。
クラブ活動でも勉強でもなんでもいいのですが……
誰かに何かをいわれるからするのではなく、あくまでも、そこに自分の意志があることが大切やなぁ、とつくづく思います。
大人も子どもも……年を食ってるかどうかだけで、おんなじやねんなぁ。
ここまで「戦車」についてみてきました。
少しでも「戦車」に親しんでいただけましたなら、嬉しい限りです。
※参考図書
- 数の原理で読むタロットカード
松村潔(星和書店)
- 魂をもっと自由にするタロットリーディング
松村潔(説話社)
- 大アルカナで展開するタロットリーディング 実践編
松村潔(説話社)
- 数は何を語るのか
F.C.エントレス、A.シンメル(翔泳社)
- タロットの秘密
バーバラ・G・ウォーカー(魔女の家Books)
- タロット象徴事典
井上教子(図書刊行会)
- ロワイヤル仏和中辞典
(旺文社)
- Le Robert Micro Dictionaire De LA Langue Franaise
(DICTIONNAIRES LE ROBERT)
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