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タロットの大アルカナだけで占うことが難しい理由

タロットの大アルカナだけでも占える?

タロットの大アルカナだけで占えますか?

今、タロットの勉強をしています。カードの意味はある程度覚えたのですが、自分で占ってみようとしても、うまくカードを読むことができません。

カードの意味はだいたい分かるのですがリーディングに繋がらないんです。

もう少し読めるようになりたいと思うのですが……

今はまだ小アルカナまでなかなか手が付けられないこともあって、まずは大アルカナだけで占えるようになれたらいいなぁと思っています。

このように「タロットの大アルカナだけで占えるようになりたい」という主旨のお問い合わせが届くのはそれほど珍しくありません。

けれども初心者の方の場合は特に、大アルカナだけで占おうと思えばかなり大変だと思います。

カードの意味が分かってもリーディングに繋がらないのは、大アルカナだけで占うには難しすぎる、という理由があるからです。

そもそも、タロットカードは大アルカナ22枚と小アルカナ58枚で構成されていて、大アルカナと小アルカナでは役割が異なります。

タロットの大アルカナと小アルカナの違いについてこちらで詳しく書いていますが

▶参考記事:タロットの大アルカナと小アルカナの違いを「アルカナ」の意味も含めて考えてみる

タロットの大アルカナと小アルカナの違いを「アルカナ」の意味も含めて考えてみる
タロットの大アルカナと小アルカナの違いについて書きました。「アルカナ」の意味や語源もたどっています。ちなみに、タロットは大アルカナが大事なんですよね?と尋ねられることがありますが、大アルカナと小アルカナに優劣などの比較があるわけではありません。役割が違うだけです。

その役割の違いをシンプルにまとめると

大アルカナは元型を表現する役割があり抽象的
小アルカナはエレメントと数字(人物)を表現する役割があり具体的で物質的

そして、この大アルカナと小アルカナの違いが「タロットを大アルカナだけで占うことが難しい」とする大きな理由です。

またタロットは大アルカナ22枚と小アルカナ58枚がワンセットであり、この二種類のアルカナを読むことがタロットの占術なので、この違いを理解することがリーディングに大きく影響します。

ならばこの違い、リーディングにどのような影響を与えるのでしょうか?

ここでは具体例を挙げながら、大アルカナと小アルカナの違いから「大アルカナだけで占うのが難しい理由」についてお話したいと思います。

大アルカナだけで占うのが難しい理由

先にも書きましたが、大アルカナは抽象的です。

そして抽象的な表現ほど、そこに含まれる意味が多くなります。

含まれる意味が多い、ということは、それだけ幅広いことに応えられるといえますが、反対に、幅広い意味の中から具体的なことを表現するには、よほどの技量が必要になります。

そのため、大アルカナだけだと具象を読むことが難しくなります。

一方、小アルカナが入ることで具体的な表現を加えることができます。

では、実際に具体的な例をあげて掘り下げてみます。

具体的な時期を読めない

まず、大アルカナだけだと時期を読むのが難しいです。

大アルカナは「そういうものがある」を表現しているため、具体的な時期を示すことができません。

たとえば、タロットの「運命の輪」

このカードは「転機」や「チャンス」という意味を持ちます。

では、いつが「転機」で「チャンス」なのでしょうか?

その具体的なものを、大アルカナが表現するわけではありません。

けれども、「運命の輪」の次に「カップの4」があるとどうでしょう?

「カップの4」の「4」という数字から「4月」あるいは「4ヶ月」という時期を見ることができます。

ここから、4月、あるいは、今から4ヶ月間は「運命の輪」がさす「転機」「チャンス」と読むことができます。

もう少しだけ、実践的な読み方を補足しておきます。

実は、タロットと占星術の知識を合わせれば大アルカナの「運命の輪」から、いくつかの時期を想定することはできます。

「運命の輪」は占星学的に捉えると「木星」に対応します。

そこで、占星術の木星に関わる時期を探ってみます。

2022年1月にこの記事を書いている直近で木星に関わる時期といえば、2021年12月29日に木星が魚座入りがあります。また2022年5月11日に木星は牡羊座入りをします。

そして2022年7月29日に逆行を始め、10月28日に魚座に戻り、11月24日に順行し、再び魚座の順行期です。

その後、12月20日に木星が牡羊座入りをし、そこから魚座に戻ることなく牡羊座期となります。

タロットに占星学的知識を交えることで、大アルカナの「運命の輪」にいくつか時期の目星をつけることができました。

それでも、これだけ関わる時期があるわけです。

目星がついたとはいえ、やはり大アルカナの「運命の輪」だけだと、具体的な時期を読むには幅が広すぎます。

でもそんなとき、改めて「カップの4」があるとどうでしょう?

カップは「水」の象徴で、「4」という数字から「4月」あるいは「4ヶ月」という時期が出ます。

この記事を書いている2022年1月初めから4ヵ月となれば、2022年5月初めです。

また「カップ」の象徴は「水」ですから、水のサインである魚座・蟹座・蠍座が連想できます。

ここで、「運命の輪」の「木星」と「カップの4」の「魚座」と「4月」や「5月初め」というキーワードを組み合わせると……

「木星が魚座の時期で4月、5月初め」と読むことができます。

つまり「転機」や「チャンス」は「4月から牡羊座に木星が移動する前の5月10日まで」と、より具体的に絞ることができるわけです。

具体的な事象やニュアンスが読めない

時期以外にも、他の事例をあげてみます。

たとえば、恋愛相談に「魔術師」のカードが出てきたとします。

「魔術師」は「1」という数字があてられた大アルカナです。

キーワードに「スタート」「始まる」といった言葉があてられることが多いです。

では、何が「スタート」し「始まる」というのでしょうか?

その具体的なものを、大アルカナが表現するわけではありません。

けれどもここに具体的な表現が出てくるとすれば、それは、相談者の悩みごとに対する占い師のイメージした思い込みや主観か、あるいは、「魔術師」のカードの周りに出ている小アルカナから具体的なことを探ったか、のどちらかになるでしょう。

では、もし「魔術師」の周りに小アルカナの「カップの2」があったならどうでしょう。

「カップの2」は、「カップが二つ」であることを表します。「カップ」は「水」を象徴し、「感情」「愛」を表します。

「2」という数字は主体(自)と客体(他)の「二つ」を表しますから、「自分と他の愛」という直訳が成り立ちます。

つまり、「魔術師」に「カップの2」であれば「自分と他者との愛の交流がスタートする」と読めるわけです。

一方、「魔術師」に小アルカナの「ワンドの5」となればどうでしょう。

「ワンドの5」の「ワンド」は「火」を象徴し、「活力」「直観」「ビジョン」「積極性」を表します。

数字の「5」は「安定を揺るがす」もので、エレメントが「5」に進化すると、そのエレメントが外に放たれることを表現します。

つまり「ワンドの5」になると、「活力」や「積極性」が外に放たれます。しかも、5本分。

ここから、「議論」「口論」「喧嘩」「ぶつかり合い」といった解釈がうまれるわけです。

すると「魔術師」に「ワンドの5」となれば、「議論を始める」「ぶつかり合いが始まる」と読むことができます。

これが恋愛相談であったとしても、「魔術師」に「カップの2」が寄り添うのと「ワンドの5」がくっつくのとでは、その解釈は全く異なるというわけです。

にもかかわらず、大アルカナだけで占ってしまったらどうでしょう?

具体的なニュアンスは、全て、占い師がイメージする主観によるしかありません。

タロットカードを読むことがタロットの占術なのに、占い師の思い込みが先行することによって占う道具からの観察がなくなれば、それはもはや、占いではなくなっているでしょう。

だから、私はタロットの大アルカナだけで占うことは非常に難しいと考えるわけです。

とはいえ……

大アルカナだけで占うことは難しいとしても、タロットをやっていくには、大アルカナも小アルカナも両方を一度に進めるには無理もあるでしょう。

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