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ホロスコープで運気を読む方法。占い師はなにをどう見ているのだろう?

年末年始や、ご相談者様が就職や転職、結婚など人生の節目にあるとき、「運勢をみてください」と依頼されることがよくあります。

「運勢」とは「人がもつ幸運・不運の巡り合わせ」と辞書にありますが、「運の勢い」と書かれるように、ここでは「個人の運の勢いの巡り」と捉えたいと思います。

「運勢」は、その人が持って生まれた運の勢いが前提になっているので、どちらかといえば「変えられない」というニュアンスがあります。

ホロスコープでいえば「出生図」に当たると考えます。

一方、運気は「自然界の現象に現れる人間の運勢」のことをいい、運勢と環境のバランスが「運気」といわれるものですから、「変えられないもの」というより、その時々に応じて変化します。

ホロスコープでいえば「出生図(ネイタル)」と「経過図(トランジット)」の組み合わせに当たると考えます。

では、ホロスコープからどうやって運気が「良い」とか「悪い」などの判断をしているのでしょう?

ここでは、実際に私が使っている占術、西洋占星術のホロスコープを使って読み取るポイントについてお話ししたいと思います。

西洋占星術のホロスコープから運気を読み取る方法

出生図と経過図を組み合わせるために二重円を作る

西洋占星術を使って運気をみるとき

①相談者の生年月日から得た天体図(ホロスコープ)=出生図

②ある時点(その日その時間でもいいし、暦の節目やイベントの日でもかまいません)から得た天体図(ホロスコープ)=経過図

③出生図を内側にして、経過図を外側に重ね合わせます。

※二重円のホロスコープは、専用ソフトやネット上にある無料作成ツールなどで簡単に作成できます。
無料ホロスコープ作成サイト「My AstroChart」

2重円のホロスコープから運気を読み取るポイント

ここでは、ポイントだけをざっくりお伝えすると……

相談者のホロスコープ(出生図=内側)の

その人の生きる目的を表す「太陽」
その人の情の出し方や捉え方などプライベートな内面の領域を表す「月」
その人の言語スキルを表す「水星」
その人の金運を表す「金星」
その人の行動のエンジンとなる「火星」

が特定の時点のホロスコープ(経過図=外側)の

物事を勢いづける「火星」
拡大と発展を表す「木星」
制限と枠、克服ポイントを表す「土星」
木星よりも拡大力があり境界線を曖昧にする「海王星」
改革と変革を表す「天王星」
極限状態を表す「冥王星」

とどのように絡んでくるのか? を読み取ります。

シンプルに「それぞれの象意を重ね合わせることでどのようなイメージができるか」を考えるといいでしょう。

たとえば

▶拡大と発展の「木星」が、個人の金星に重なっていれば「金運や人気運、恋愛運が広がる」

▶行動のエンジンである「火星」が重なっていれば「やる気やモチベーションが高まりやすいね」

▶制限の「土星」が、個人の「金星」に重なっていれば「金運や人気運、恋愛運が進みにくい」

▶制限の「土星」が、個人の「火星」に重なっていれば「やる気やモチベーションが湧きにくいね」

など解釈することができます。

運気いい、わるい、を判断するポイント

では、「運気がいい」「運気がわるい」は何が絡んでくるでしょう。

大きなポイントは、拡大の星「木星」と制限の星「土星」です。

木星の公転周期は約12年。このことをホロスコープにも応用します。つまりホロスコープにおいても「約12年のサイクルで拡大と発展の流れが刻まる」と考えます。

ホロスコープは12サインあるので、単純計算すると、ひとつのサインに約1年滞在することになります。たとえば

▶経過図の木星が個人の「太陽」があるサインにいれば、その1年は「仕事の運気が上がる年」

▶経過図の木星が個人の「金星」があるサインにいれば、その1年は「恋愛運が高まる年」あるいは「金運が高まる年」

などとみます。

また、個人天体とかかわりを持っていないとしても、経過図の木星が入っているハウスから、金運や出会い運などをみることができます。(ハウスシステムを採用するには出生時間と出生地が必要です)

一方、土星は約29年ですから、30年単位で物事が思うように進まず筋トレをさせられているような時期が訪れる、と捉えることができます。

さらに最も公転周期が長い冥王星は約249年で、たとえば太陽星座が山羊座にある人は、特定時の冥王星が山羊座にあるとき、すごく大雑把にいえば、その影響を約20年間受けることにもなりかねません。

じゃぁ、冥王星の影響を受けたら20年間、極限状態を彷徨うの? と思われるかもしれません。

多くの人が実感として「冥王星と重なるととてもしんどい!!」と感じられるのは、ピッタリ重なるときの約6ヶ月程度。その期間で、大きな変化に直面することが多いといわれています。

つまり、木星でも土星でも冥王星でも他のどの天体であったとしても、公転周期が示すのは、その影響を受ける可能性の範囲を示すにすぎない、ということは考慮しておきたいところです。

では、木星は拡大と発展だから「いい」のか、土星は制限を設けてくるから「わるい」となるのか、あるいは冥王星は極限状態になるから「わるい」のか?

ほんとうに、そうでしょうか?

占いから「運気が悪い」「運気が良い」と判断するときに大切なこと

たとえば。

もととも活動資質が強い人が木星の影響を受け、本人はどんどんどん拡大しても周りの人がそこについてこれなかったら、それは「いい」ことなのでしょうか?

あるいは、活動資質の強い人に土星の制限が影響して、動きが制限され、目の前のことに集中せざるを得なくなったとしたら、それは「わるい」ことなのでしょうか?

たしかに、あれもこれもやりたーい! とにかく動きたい!! という活動資質の人にとって「今は動かないで」となったら、心情的に辛いものはあるでしょう。

けれど、あれもこれもやるより、目の前のひとつのことに集中して取り組むことや、周りと歩調を合わせることが現実的に大事なときもあります。

そういう「現実をみようよ」というときに、土星の力は大いに役立ちます。

また、冥王星はたしかに破壊と再生の極限状態をもたらす星ですが、まさに「コロナ禍」のように自分の影響下ではどうしようもない外的影響から、強制的に道を変えざるをえないとしても、その「新しい道」が、自分にとって「より良い道」であるかもしれないのです。

今はしんどい。でも、明けない夜はない。
だから、夜が明けた時に直ぐに動けるように準備体操をしておこうよ。

そういう捉え方があってもいいわけです。

こちらにも書きかましたが

▶関連記事:運気が悪いとき良いときの過ごし方。言葉に惑わさず自分らしく過ごしていこう

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単なる「いい」「わるい」ではなく、なにがどういう風だから「いい」といえて「わるい」となるのか、こういう細かいところを見ることができるのも「占い」です。

占う側には、「どうしてそういうのか?」まで説明できる知識と技量の研鑽以外にも、「いい」や「わるい」などの言葉は人を不安にさせてしまうものだからこそ、常にその言葉の真意を問いながら鑑定に臨む姿勢はとても大切だと、つくづく思います。

 


 

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