タロットの逆位置について、このようなご質問を頂くことがよくあります。
タロットの逆位置って解釈した方がいいですか?
逆位置ばかりが出てきたんですが、その時は占えないとかも聞きます。やっぱりもう一度展開し直した方がいいものでしょうか……
逆位置って読みずらいんです。
どうしてもネガティブに感じてしまうので、逆位置をどう伝えていいのか迷ってしまうことも多くて。
やっぱり正位置の真逆だと理解していいんでしょうか?
そこで。
ここでは、そもそもタロットの逆位置とはどういうことか?を掘り下げながら、逆位置の読み方についてお話していきたいと思います。
逆位置を採用する理由
タロットの性質を考えると、私は逆位置を採用することは大事だと考えています。
まずタロットは卜術で、その時、その場、の偶然性を利用する占術として分類されます。
またタロットは、今現在を起点にして占うことでその時のその人がどのようなエネルギーを持っていて、どのように進もうとしているのか? を読むことが得意な占術です。
そして、カードが正位置に出てくるのか逆位置に出てくるのかによって、同じエネルギーであっても、その微妙なニュアンスの違いを読み解くことができます。
そのため、私は逆位置を採用した鑑定をしており、またレッスンでも逆位置を採用した読み方をお伝えしています。
とはいえ、確かに逆位置の解釈は難しいと思います。
なぜなら、「正」と連想する言葉が「正しい」であれば、その反対を表す「逆」という言葉は「正しくない」となりやすいから。
これが考え方の根底にあると自由な発想が妨げられてしまい、「逆位置は正位置の真逆でネガティブだ」となりかねません。
では、タロットの逆位置をどのように捉えるといいのでしょうか……
タロットの逆位置の捉え方
そもそもタロットを扱う前提として、タロットにはその人自身に備わっているエネルギーやその人が生きてきた経験の中で培われてきたものの考え方が反映される、という考え方の土台があります。
そして、その人が現実世界で「その状況」をどのように捉えているか、あるいは、「その状況」がどのように表現されているか、の違いがタロットの正位置、逆位置として出てきます。
たとえば、テストの点数が70点であったとき。
ある学生は「なんでこんなに点数が低いんだ!」と嘆くかもしれません。
けれども、別の学生は「めっちゃがんばった!」と喜ぶかもしれません。
この感覚の差は、その学生がどれだけ勉強したかを実感できているかどうかにもよるでしょうし、あるいは、普段から90点以上が当たり前だった、50点が当たり前だった、という実績の違いにもよるでしょう。
これらは、その人がこれまでにどんな経験をしていてどういう行動をし、それをその人がどう思っているのか、などのことが影響しているはずです。
タロットの正位置も逆位置もこれと同じような考え方に立っていて、たとえ同じ物事であっても、その人がそれをポジティブに捉えているのか、あるいは、ネガティブに捉えているのか、の表現の違いだと考えて頂いても構いません。
けれどもここで間違えたくないのは、正位置だからポジティブだ、逆位置だからネガティブだ、というわけではありません。
カードに善悪はありませんし、ポジティブもネガティブもありません。
あくまで、正位置だとそのカードが表す本質がストレートに出ている(捉えられている)のであり、逆位置だとそのカードが表す本質がストレートに出ていない(捉えられていない)ということ。
また正位置であろうが逆位置であろうが、そのカードが出てきているということは「そのカードの本質を体験する」ということに変わりありません。
そのため、逆位置を読もうと思ったら、兎にも角にも、カードの本質を掴むことが大事になります。
その上で、その本質が「ストレートに出ない」とはどういうことか?を読み解きます。
タロットの逆位置を読むコツ
では、タロットの逆位置はどうやって読んでいけばいいのでしょうか?
ここでは、読み方のコツについてお話していきたいと思います。
タロットの本や私のブログなどでも、便宜上、正位置と逆位置の意味付けがなされていますが、それは、あくでも、たくさんの人に伝わりやすくイメージしてもらうための便宜上の意味と捉えてみてください。
前述しているとおり、逆位置の大前提は「そのカードのエネルギー(本質)がストレートに表現されていない」ことです。
また正位置の場合は「そのカードのエネルギー(本質)がストレートに表現されている」ことが大前提。
そして「ストレートに表現されている」かどうかは、スプレッドの印象や文脈で変わってきます。
たとえば、スプレッドに出ているカードの全体的な状態からみて、逆位置に出ているカードがポジティブにみえるならばポジティブな解釈をすればいい、というわけです。
極端にいえば、カード全体の印象の中で逆位置を読んだとき、別のケースと真反対の解釈すらできる、ということにもなります。
そこで、ちょうどレッスン受講生の方から実際に「カップの6」の逆位置の読み方についてご質問を頂戴していたので、「カップの6」を題材に掘り下げてみたいと思います。
なお前述で「逆位置を読もうと思ったら、兎にも角にも、カードの本質を掴むことが大事」と書いたように、まずは「カップの6」の本質を掴むということはどういうことか、についてお話していきたいと思います。
カードの本質を掴むとはどういうことか?
タロットは、占星学や数秘学、象徴学、あるいは、そのタロットの作者の思想(時代的背景や哲学、宗教観を含む)が盛り込まれた「絵」が描かれています。
なかでも小アルカナは、「万物は4つの元素でできている」という西洋思想における、4元素(火・土・風・水)と数字がそのカードの本質を表します。
では「カップの6」の本質とは何かというと、それは、「カップ」と数字の「6」で表されます。
まずは「カップ」
「カップ」は「水」のエレメントを象徴します。
「水」は「くっつく」「混ざる」「流れる」「集まる」といった性質を持ち、また「水」は「陰」の気の象徴であり「女性性」を表すものとしても用いられます。
そして、「陰」や「女性性」を表現する言葉として「共感」「受容」「受動」といったワードが出てきて、<共感を表す「水」は流れるもの>という性質を人の様相にあてはめることで、「情」や「愛情」といった表現が伴いました。
そのため、タロットの「カップ」には「くっつく」「混ざる」「愛情」「共感」「感情」「流れる」「集まる」といったキーワードがあてられています。
次に数字の「6」
数字の「6」は「調和」を象徴する数字といわれており、では、それはいったい何の調和か、といえば、表裏しているものの調和、を表します。
たとえば
- 男性性と女性性
- 陰と陽
- 過去と未来
- 意識と無意識
- 現実と見えない世界
- 子どもと大人
- 自と他
など
「カップ」と「数字」を合わせてみると
つまり「カップの6」には、表裏にあるものの調和が水=感情や愛情でなされる、ということが表現されているわけです。
ちなみに「感情」とは、言葉で表現した時点で過去の産物だったりします。
なぜなら、言葉は過去に刻まれたものだから。
心理の世界では、「悲しい」も「嬉しい」も、その表現ができるのは過去の経験を引っ張り出してきているから、といわれることがあります。
今の状況に似た過去のことを参考に、そこで使われた言葉をラベリングしている、ともいいます。
話を戻すと。
「カップの6」の「カップ」が象徴する感情には「過去」という表現があり、そこに調和の数字「6」がついているわけです。
「過去」と表裏なのが「未来」
そして、そもそも「過去」があるのですから、それを調和させるために「未来」を足せばいい、ということ。
またカップの基点は「過去」にあると捉えることができるため、「カップの6」が正位置で、そのエネルギーがストレートに出ているということは
▶「カップの6」の正位置のエネルギーは過去から未来に流れる→未来に目が向く
反対に、「カップの6」が逆位置で、そのエネルギーがストレートに出ていないことから
▶「カップの6」の逆位置のエネルギーは未来に流れるはずが過去に逆行する→過去に目が向く
といった状態が出てくるでしょう。
その上で。
過去を子どもの頃のように純真とみるか、辛い出来事とみるか、あるいは、過去のことと割り切るか。
未来を不安と思うか、未来を明るく思うか。
大人になることをしんどいと感じるか、可能性が広がっているとみるか。
このような違いをスプレッド全体から読み取ることで、「過去に目が向く」という逆位置はポジティブといえるのか、あるいは、ネガティブといえるのか、を解釈することになります。
逆位置をアドバイスポイントとする
さて。
正位置であろうが逆位置であろうが、そのカードが出てきているということは「そのカードの本質を体験する」ことに変わりありません。
そのため、逆位置がどんなにネガティブに見えたとしても、正位置のポジティブさも表裏で存在するわけですから、逆位置から正位置のポジティブさに目が向くようにアドバイスすることができます。
どれだけネガティブであっても、そのカードのポジティブな側面を体験できる力をその人は持っている、と捉えるわけです。
たとえば、「カップの6」が逆位置に出ていて、未来の不安から過去に目が向いている、と解釈できるとしても、「カップの6」は「未来に目を向けることが今の状況を調和するカギなんだよ」というわけです。
そして「カップの6」の逆位置は
こんな風に、アドバイスしてくれます。
逆位置の理解がリーディングに与える影響
いかがでしょう、逆位置について。
言葉だけで表現すると、なかなか難しいところもありますが、これだけはぜひ覚えていてください。
逆位置は、決してネガティブなのではなく「ストレートではない」というだけのこと。
たとえば正位置を起点として
- 正位置の範囲を超えてやり過ぎなのかもしれない
- 正位置の力が半分も出せていないのかもしれない
- 正位置の力がもう少しで出そうなところまできているのかもしれない
- 正位置とは真反対かもしれない
30度行き過ぎなのか、あるいは180度ひっくり返っているのか、もしかすると、300度のところまで来ていて、もう少しで360度、1周回って帰ってくるのかもしれない、という風に「程度」の理解として考えてもいいと思います。
このような程度の違いが表現できるだけでも、リーディングはずっと豊かになるはずです。
そしてなにより、逆位置がどんなにネガティブに見えても、表裏にあるポジティブさを引き出すことでアドバイスとなります。
タロットカードの中からアドバイスを引き出せるということが、どれほどセッションで役に立つことか、鑑定の現場で実感しています。
ぜひ、正・逆で現れるニュアンスの差を拾うことでリーディングを深め、セッションを豊かにするためにも、逆位置にチャレンジしてみてくださいね!
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