さまざまなご相談を鑑定していると、必ずしも結果に「ポジティブなカード」が出てくるばかりではないことは、どんな占い師さんでも経験することだと思います。
停滞感や閉塞感、抑圧を思わせるようなカードが結果に出てきて「これはしんどいだろうな」と思うときの方が多い……という方もなかにはいらっしゃるでしょう。
タロットの読み方をお伝えしていると、やっぱりこういうときの読み方のご相談を頂くことはよくあって、たとえば……
「カードからネガティブな様子が見えるとき、あげ鑑定にはしたくないんですが、しんどそうなカードが出ているときって、なかなか本人を前に言いにくいんです」
というお話をよくお伺いします。
ネガティブなカードの捉え方
「カードからネガティブな様子が見えるとき、あげ鑑定にはしたくないんですが、しんどそうなカードが出ているときって、なかなか本人を前に言いにくいんです」といったご相談を受けるとき
カードの出方にもよりますが、語弊を恐れずにいえば「ネガティブだからといってネガティブに伝える必要もないのでは?」とお伝えすることは多いです。
たとえば……
- 「ワンド9」に「四面楚歌」
- 「コイン7」に「不服」
- 「ソード9」に「鬱」
- 「カップ8」に「諦め」
- 「吊るされた男」に「犠牲」
- ……
などの意味があるとして「このような言葉を使って表現しなくてもいい」という意味です。
なぜなら、このようなカード達が出ているということは、いずれにしても物事が停滞している様子を表していて、ある意味、その状態が肯定されているとき。
むしろその「閉塞」の中にいて「できることをやる」方がよほど大事で、それが「ご飯を食べる」でも「睡眠をよくとる」でもいいのです。
だから別に「四面楚歌ですね」とか「鬱っぽくなりそうですね」などという必要はなくて、ただ、「物事が思うようにいかないと感じることは多いと思うけど、環境を変えようとせず、今の状況でやれることをやるのが大事」と伝えることを私は選びます。
これは断じて「読めたことを誤魔化そう」と誘っているのではありません……
「カードから見えることを歪曲して読む」という意味ではなく、カードは「そのまま」を読み、読めたことを誠実にお伝えするのは大前提です。
ただ、「カードをそのまま読む」ということは、必ずしもカードの一般的で表面的な意味をあてがう読み方をするものではありません。
これまでにもいろんなところでお話ししているのですが……
当事者が見えていないものに光を当てるリーディング
カードが云わんとすることは表面的な捉え方では見えてこないもので、その裏にある真意を辿ろうとすれば、数字やエレメントに対する理解は欠かせません。
そして、そんな数字やエレメントを読み解いていくと、その過程で、相談者さんにお伝えできることがさまざまに見えてきます。
もちろん、そのカードの一般的で表面的な意味が消されるわけでも、なくなるわけでもありませんから、「殻に閉じこもる」とか「四面楚歌」、「鬱状態」という意味があるなら、少なくとも、そういう閉塞的で「しんどい」状況に陥る可能性は高いです。
でもだからでしょうか……
どうせ「しんどい」なら、その「しんどい」状況に対して応援できる方が、私はいいと思いながらセッションをしています。
これはカードを誤魔化したりあげ鑑定をすることではなく
というのが私の言い分です。
「カードをそのままに読む」のは大前提だしカードをそのままに捉えられないと話にならないのですが、けれどもそこから見えたことに対し、「何を言い/何を言わない」のかをいつも考えてしまうのも正直なところであり……
どうせタロットをするのなら、人の応援ができる占いでありたいなぁ、と思うからです。
当事者がネガティブな異常性に慣れているケース
ちなみに「しんどそう」なカードが出ているからといって、その渦中にいる当事者がその異常性に気づいているかどうか、あるいは、気づいていたとして「変えよう」となっているかどうかは別のことです。
展開したカードの様子から「その状況が織り込み済みで予想通り」となっている場合は、特に「しんどそう」なカードについてお話すると、だいたい「そうでしょね」と頷かれます。
もちろんその「しんどい」状況が、他人から暴力を振るわれるなどの実際的な危機的状況であれば、その「しんどい」状況からは早く逃げるべきで、自分の心と体を他人から傷つけられるような環境からは去るべきです。
けれども、こういうパワハラや虐待、DV、あるいは共依存の環境にあるとき、ほとんどのケースにおいて、心理的な拘束力が働いているので、渦中の当事者は、そこから「逃げる」ことも「しんどい」となってしまうことがあります。
こういう場合にも「しんどそう」なカードが出てくるわけですが、ここには相当に情動のクセが絡んでいるので、「逃げる」にも一筋縄にはいかず、実際的にも時間がかかることです。
ただいずれにしても、どんな状況にあっても「しんどい」というシグナルを受け取るときは状況を変えられる合図でもあったりするのですが、一方で、「状況を変える」ということを勘違いされる方もいます。
特に、その「しんどい」に踏みとどまって向き合うことなしに、その「しんどい」をもたらしている原因から目を背け、環境だけを変えようとする場合。
状況を変える、ということ
たとえば
- キャリアアップのためではなく人間関係に馴染めず転職を繰り返すケース
- ひとりの人との恋愛が楽しめなくて関係を持つ人を次々に変えていくケース
状況はさまざまですが、「しんどい」をもたらしている原因から目を背けたままであれば、環境だけを変えても同じ状況に陥るばかりであることには変わりません。
もちろん前述したように、自分の体を壊してまで留まる必要はないのです。すぐに去るべきです。
ただ、人間関係に馴染めない理由やひとりの人との恋愛を楽しめない、自身が抱える根本的な理由と向き合うことなしに、環境だけ変えても同じことを繰り返すだけなのも確かで……
同じことを繰り返すことが「悪い」とか「ダメ」だとかいうつもりは毛頭なく、それでいい、と納得の上でそうやっている人がいることも知っています。
ただ、「それでいい」と納得できなくてそれが「しんどい」となり悩みの種になっているのならば、その「しんどい」の出所に目を向けてみませんか?
というご提案をすることはあって、場合によっては、カウンセラーさんをご紹介することもあります。
同じ原因でつまづき繰り返す「辛い」「苦しい」のループ
さて、形を変え状況は違えど「同じ原因」で躓きを繰り返している人はよくみかけます。
どんなにしんどい状況も同じ程度で続いていくことはあまりなくて、「いいようになる」のと「しんどくなる」程度の強弱を繰り返しながらですから、一見すると「なんだか楽になってきた」と思わせられるものだったりします。
また究極的に困る状況に陥らないもので、そのためか、なかなかにその原因を取り除くこともできない……
こういう悪循環の繰り返しは、タロットでいうところの「悪魔」に囚われているような状態ともいえるのですが……
しんどくなる「原因」が昇華できていないならば、たとえ「楽になってきた」という状況が出てきたとしても、その「原因」はいつもそばにあって、「楽になった」と思えるのは一時だけです。
そして「原因」が見えなくなっているだけなので、いつなんどき、その「原因」がまた浮上してくるとも限りません。
それを「業」とか「カルマ」といった言葉で表現する人もいますが……実際には、そんな言葉ほど禍々しいものではないし
単純に「そうなってしまうクセ」なだけですから、そのクセが出て困るなら直せばいいし、別に困ることもなければ直さなくてもいいのです。
悪循環のいたちごっこから抜け出す方法
とはいえ、「クセ」を変えようとする過程はやっぱり大変だし、これまで何十年と染みついたやり方を変えようとするのですから、本来的には、その何十年分と同じだけの時間をかけて変えていくことだったりします。
幸い今は、何十年と同じ年月をかけずに変容を促す方法も開発されていますが……悪循環から抜け出す最も早い方法は「環境をごそっと変える」ことです。
それはもちろん、職場を変えるとかパートナーを変えるとか、そんな程度ではなく……
言語も自然環境も社会文化も異なる日本から、いきなり、ヒマラヤ麓のネパールに移住する! ぐらいのインパクトがあった方がよくて
そんなところにいきなりいけば高山病になるのは目に見えているわけで、けれどもその半強制的な環境に身を置けば、体はしだいに標高の高さに慣れて呼吸が楽になるまでに至るわけです。
もちろんこれはとても極端なたとえ話です……
けれども、それぐらい半強制的に体の使い方を変えざるを得ない状況の中で自分の世界観が180度変わるぐらいのインパクトある環境の変化でないならば、「しんどい」なかで踏ん張り情動のクセと向き合う方をおススメします。
もちろん人は「慣れ」に弱いものだから、環境はそのままにクセを変えようと思うと環境が変わらないなかで「自分ひとりだけが変わる意志の強さ」が試されるので、それはそれで大変なのです。
けれども、これはハッキリいえるのですが
いくら「しんどい」からといって避けても根本的なことは変わらず「あり続ける」ので、なんなら、クセを抱えたまま年を重ねることになるので、その分、そのクセの影響力が増してくるのはいうまでもありません。
つまりは……楽しいはずの時でも閉塞感と不足感を抱え「なんとなく面白くない」毎日の繰り返しがあるだけのことです。
だからもし、状況を変えようと思うならそのときが吉日で、たとえ、閉塞していて辛くても、その状況の中で踏ん張っていけると、その経験が生きる智慧となるのは間違いありません。
そして占いは、そういう「しんどい」がみえるなかでも、その人が見えていないものに光を当てることができるわけです。
だったらやっぱり私は、誰かの応援になるタロットをやっていきたいなぁ、となるのだと思います。
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