今日はタロットの読み方や占い方のお話ではないのですが、タロットばかりではなく占いに目が向く方なら、きっとご興味いただけると思う「思い込み」についてのお話です。
「思い込み」は人が生きていくために欠かせない力だと思っているので、それがいいとかわるいとか、そういう話をしたいわけではありません。
ただ、思いを込めるベクトルがあらぬ方向にねじ曲がってしまったり、相応しい程度から外れてしまうと、ときにそれは、自分や人を傷つけてしまうことがある……そういうお話です。
「思い込み」とは?
「思い込み」とは「≪思い≫を向ける方向性と強さ」だと思っているのですが、それが自分や自分の周りの環境のなかで自然に沿っているうちは、現実的な生活……仕事やプライベートでの満足感や充実感は高くなります。
一方で、それが不自然に変化したとき……つまり、思いを込めるベクトルや程度が独りよがりに成ってしまったとき、現実的な生活は色褪せ「思うようにならない」「辛い」「しんどい」といった感情に揺さぶられてしまうことが多くなるように思います。
これは、セラピスト時代から今の占い師になってからも様々な方に出会い、たくさんのお悩みをお伺いしてきた中での私の実感です。
ちなみに、思いを込めるベクトルと程度が独りよがりになってしまうときというのは、大概、意識のもとに「そうだ」と頭に言い聞かせをしているようです。
けれども、この≪意識のもとに「そうだ」と頭に言い聞かせること≫は、本人がそれをしている自覚がない場合がほとんどで……本人にそれをしている自覚がないだけに、その「思い込み」を止めることができなくなっています。
けれども、ひとつ、「思い込み」に気づいて止める方法があって……それは「現実をみる」という方法です。
「思い込み」に気づいて止める方法
「思い込み」が不自然になってくると、その渦中にいる本人はとても苦しく、つらい状況に陥ります。
だからもし、苦しくつらい状況のときに、自分がやっている「思い込み」に気づきそこから離れることができれば、現実の苦しくつらい状況から抜け出すことができます。
一方で、独りよがりの「思い込み」になってしまっている可能性を疑わず
「それはあの人の本音ではないはずだ!」
「他の人も同じようにしているのだから大丈夫」
「あの人が嘘をついているに違いない」
「前も同じようにしていたのだから大丈夫」
「これだけやっているのに自分だけが損をするのはおかしい!」
などといって目の前の事実を認めないままでいると、あるいは、ほんとうは悔しいのに「どうせ私なんてこんなものだ」と無理に納得しようとしていると、まさに泥沼に陥ってしまいかねません。
大事なことは……
悔しさも悲しみも、恵まれていることもつらいこともひっくるめて、そこにある現実を誤魔化さずに認め、「自分のやってきたこと」を眺めてみることです。
「思い込み」の中でも厄介なもの
ところで、「思い込み」の中でも特に厄介なものがあります。
それは、いわゆるインスピレーションや運といった類の「見えないもの」に対する「思い込み」です。
チャネリングと称して「天の声」と繋がろうとしたり、「龍」をつけたりつけられたりを欲する人も多いようですが……
もちろん、私も「見えないもの」を扱う「占い」と関わっているわけですから、「見えないもの」に対する人の欲を否定するつもりはありません。
けれども、そういう「見えないもの」は「何でもあり」に陥りやすく、万が一にでも、思いを込めるベクトルがあらぬ方向にねじ曲がってしまったり、相応しい程度から外れてしまうと、厄介な事態に巻き込まれてしまいかねません。
厄介な「思い込み」に巻き込まれないための防衛策
たしかに現代的な生活で体感覚が鈍っている感はぬぐえませんが、体感覚をどんどん使っていけば、誰に何をいわれなくても、どんな人でも「見えないもの」の声を「感じる」ことはできるわけです。
また天からの声が聞こえなかろうが誰かに龍をわざわざつけてもらわなくても、「見えないもの」に対するリスペクトさえあれば、人をしてものをして「見えないもの」の恩恵は流れてくるのですから、それほど「見えないもの」に対して思いを込めなくてもいいと思うのです。
なにより、インスピレーションも「見えないもの」の声も、それが言葉として発せられた時点で、発した人のフィルターを通っているわけですから、人から教えてもらう「天からの声」や人につけてもらう「龍」ほど厄介だと感じるものはありません。
それに、インスピレーションも「見えないもの」の声も、その言葉通りだと誰も証明できないことだからで、極論をいえば「なんでもあり」の世界です。
だから人から「見えないもの」の話を聞くときは、「≪それ≫が人の想念や雑霊ではないと、どのように見分けているのですか?」と私は尋ねることをしていて、ほぼ言葉を濁されますが、稀に説明してくれる方もいます。
別に、≪それ≫が人の想念でも雑霊でもいいんです。
ただ、その人自身が何を汲んでいるのかを理解してやっていることなのかどうかを知りたいだけで、これは私なりの、変なものに憑かれないための防御策だったりします。
タロットリーダーに必要な「思い込み」対策
ちなみに……
タロットなどを毎日のように読んでいると、ときどき、言葉が勝手に口をついて出てくる感覚に陥ることがありますが、思い込みから「なんでもあり」にしなためにも、私は、「なぜそう読むのか」をタロットから説明することをしています。
タロットから読んだことは、必ず、タロットのエレメントや数字から説明できるもので、これは「思い込み」に呑まれないための対策でもあります。
また展開されたタロットを読んでいると、相談者が抱える「思い込み」と無意識の底にある本音との乖離が見えてくることがよくあって……
タロットの読み方を解説する講座でも、そういう部分をクローズアップしながらリーディングのコツを解説しています。
そしてもし鑑定でそいうものが見えるときは……
- 自分がするから他の人も同じようにすると思っていないか
- 一般的に言われていることを自分にも他人にもそのまま当てはめていないか
- 人に言われた「あなたは○○だから」を真に受けていないか
特に、占い好きな人が雑誌や本に書かれている「牡羊座だから」とか「魚座だから」という表現を読んで、ほんのたった一部のステレオタイプを表しているに過ぎないのに、それがすべてであるように捉えていないか - 自分はなにも感じないのに「見える人」から言われたことを気にしていないか
あたりのことをそれとなく尋ねてみることがあります。
するとほとんどの場合、「もしかして……」と思い当たる節に出会われます。
もちろん、誰かに言われたことや一般的に言われることが決してダメなわけではなて……ただ、その影響から自分を見失ってしまっている可能性があるということです。
誰かの言葉や過度の一般化によって、自分を見失うことほどもったいないことはありませんから。
自分が身を置く環境や起こっている出来事に嘆きたくなったり憤るとしても、無闇な抵抗も自虐もすることなく状況を眺められると、肩の荷が降りたような心地を得て気持ちが軽くなり、状況の好転が加速していきます。
だからもし、今がしんどくて苦しい状況にあるならば、「思い込み」のベクトルとその程度が不自然に反れていないかを見直せる「チャンス」でもあるのだと思います。
それに思いを込められる力は「人」だから持てるものなのだと思うし、せっかくそういう力があるのなら活かしていきたいと……タロットを介して何度も自分実験を重ねてみたら、見える景色が少しずつ変わっていったこともあり
うらないば、では、タロットを介して状況を眺めてみるコツもお伝えしています。
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