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フランスの占い事情

2026年が明けて会社や学校が始まった頃、もう10年ぶりぐらいにフランスから一時帰国していた友人と恩師を訪ねました。

恩師はフランス人で、自宅に招いてくれたり私がフランスにいた頃は職場まで訪ねてくれたり、帰国してからも手紙のやりとりをしていて、とても気さくに接してくださる人です。

最後にフランスを訪ねたのが10年ほど前で言葉が咄嗟に出てこないのですが、先生は日本語を話さないので、フランス語と日本語混じりでたくさんしゃべってきました。

10年ぶりという感覚は全くなく、昨日も一緒にしゃべってましたよね?!ぐらいのノリと勢いで話せることはなんとも有難いものです。

そんな中、それぞれの今の仕事の話になったのですが、そこで「占いをやってるんだよ」というと、「占い好きなんだよねー!」と先生が無邪気に話してくれました。

その無邪気さがこれまでのフランス人の反応とは違っていたからでしょうか……とても意外に思って、そこからフランスの占い事情なんかをあれこれ聞いてみました。

もちろん、これはたった一側面にすぎませんが、それでも実際的な体験談である、よもやま話です。

フランスではみることのない占いの看板たち

フランスの都市……パリやリヨン、マルセイユでも、「占い」を謳った看板やお店をみかけることはありません。

もちろん日本のように、市内郊外問わず、商業施設やショッピングモールに占いハウスやブースをみかけることもありません。

また日本だとネットでも占いを大々的に謳うお店や占いのお店を紹介するサイト、ネット上で無料の占いをやっているサイトの数はとても多いのですが

日本と比べるとフランスの占いの総合サイトはほとんどないに等しいほど少なくて、一方で、宗教や芸術的視点と絡め「占い」が論じられた研究者のテキストや本の紹介を目にします。

これは文化的な違いが大きいと思いますが、日本の占いは「商業サービス」的な位置づけにあることが強く、フランスの場合は「学問・教養」としての位置づけにあるように感じます。

ちなみに、イギリスやカナダでは大学で占星術が学べるといいます。

ほかにも「占い」が「商業サービス」にならない理由として……

こういうものを「不確かなことで不安を煽る行為」とみなし「詐欺扱い」にする厳しさが、国の事情として、日本よりフランスの方が強くあるようです。

合理主義的な考え方の影響が大きい国なので、そりゃそうだよな……と思わず納得してしまいます。

たとえタロットや占星術をやっていても「占い」という言葉は使わずに、対面的には「カウンセリング」や「コンサル」としてあり、セッションを進めるツールとしてタロットや占星術を使う、というやり方がとられているようです。

フランスの占い事情のひとつ

ところで先生の話で面白かったのは……

そうはいっても「精通している人」というのはやっぱりいて、特にそういう人達はほとんど表に現れることはなく、人伝で知るそうです。

先生が育ったのはある地域の小さな町で、そこには「予見者」や「ヒーラー」がいたといいます。

小さなコミュニティなので、どこの誰がそいう人かも見知っていたそうで、「ヒーラー」が手をかざすと痛みが消えた……など

日本なら霊気の熟練者がそうであるように、このような出来事を見聞きしていたのだとか。

ちなみに、その地域全体の催し事として「占い」があったそうで、当時、将来を考える歳になった先生も占ってもらったことがあったそうです。

「占い師」が集まり、無料で2回分のチケットが配られ、占ってもらいたい人は占ってほしいと思う人にそのチケットを渡して占ってもらうイベントで

集まった占い師のうち、だいたい半分は「普通な人」で、あとの半分は「奇抜な格好をした人」なのだとか。

そして圧倒的に「普通な人」が人気なのだそう。

こういう風景は今の日本でも見かけることがあり、おもわず苦笑してしまいました。

ちなみに、先生のお友達のお母さんが占いに精通していたらしく、詳しく話を聞くと、タロットや占星術などの占術は他人に教えてもらうものではなく、家系として母親から子供に受け継がれているのだそう。

なかでも「女性」が引き継ぐものだそうで、父系にその血がある場合、その娘はおばあちゃんや叔母さんから教えてもらうのだとか。

この話を聞いて頭に浮かんだのが……沖縄のノロのお話

ちなみに先生のお友達のお母さんはとても繊細な方だったそうで、約束をしていても、体の調子が万全でないと占えない、ということもあったそうです。

またこんなフランスの占い事情を、私が学んでいるタロットの先生にすると

「ロマの人々(英語の表記をそのままカタカナ読みをしてしまった日本人にとっては「ジプシー」という名前の方がよく耳にするかもしれません)から伝わったといわれる占いらしいよね」と。

フランスは大陸の地形から日本よりも多民族国家でその歴史は古く、占術自体が家系や血として受け継がれている業であることを、改めて思い知ることとなりました。

占いに対する言語的な側面からの考察

ところで、話は少し変わりますが……

フランス語で「占い」というと「divination(ディヴィナシヨン)」という言葉を使うのですが、この単語は「予見」や「予知」あるいは「直感」といった意味を持ちます。

もう少し突っ込むと……「divination」という言葉に似た「divin(ディヴァン)」という単語があって、これは「神の」「神による」「神様にささげる」あるいは「神格化される」「崇高な」という形容詞

またフランス語はもともとラテン語からきているのですが、その語源として、ラテン語の「divino」、神託を授かる方の「預言する」と訳される言葉があるのです。

そこで何を思ったのかというと……

言語的にみてフランス語で「占い=divination」というと、神様の領域にあるものを読み取る行為、であり、それは人の思惑から離れたところにある「神性なもの」を受け取る行為でもある、ということ。

現代的な言葉にすると、それは「霊感」とか「直感」とかいうのかもしれませんが、それでもフランス人のいう「占い」とはなかなかに神聖なものであり、おいそれと扱うものではない、という暗黙の了解があるのだと思いました。

古くは国家の運営にも活かされ権威の象徴としての「占い」がある一方で、魔女狩りではないけれど、権力者にとって聖職者ではない女性の霊性が脅威とされた可能性もうかがえるような歴史的背景がみえ隠れするなかで

むしろ、それだけタロットや占星術などの「divination」は畏怖するものだったのでしょう。

そしてそういう畏怖が、今日に至っても暗に根強く認められているのかもしれません。

八百万で島国の日本とは違い、古くから多民族が同居し一神教であるキリスト教の影響を受けて長く国土の広い「フランス」という国っぽいともいいましょうか……

こういう格式と霊性に畏怖する一方で合理性を重んじる価値観が、フランスで「占い」を商業サービスとして見かけることがない理由のひとつにあるように思えてなりませんでした。


もちろんだからといって、タロットは今や日本でも独自の風土に馴染んでいるわけで、フランス的な厳格さに敬意を表しても、そこを踏襲する必要もないわけです。

なにより、タロットを誰でも自由に扱えるよさが日本にはあって、そこから繋がる縁があるならば、そういうものは大事にしたいところ。

ただ一方で

占いには単なる商業サービスとして割り切ることのできない側面があることや、直感で読めばいいといってタロットの言語(数字やエレメント)を理解しようとせず、スピリチュアルやなんだかんだとその上澄みだけを拾うような行為は控えたい

つくづくそう思わせられる、フランスの占い事情な話でした。


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