日本でポピュラーなタロットといえばウェイトライダー版のタロットでしょう。読み方の本も多く出されており扱う人も多く、またロット初心者の講座で使われることも多いです。
そのためタロットを学ぼうと思うとすると、ウェイトライダー版のタロットをすすめられることが多いように思います。特に初心者の定番カードといえるでしょう。タロット講座の定番カードです。
一方で、マルセイユタロットを難しく感じられている方も多いようなのです……
「ポピュラーじゃないタロットを使いたいけど、マルセイユタロットは初心者には難しいらしい……」
「マルセイユタロットには興味があるけど、小アルカナに絵がないから難しそう……」
こういう話をよく耳にします。
また私自身、マルセイユタロットにはじめて触れた時は、「初心者はウェイトライダー版から入った方がいいと思うよ」ともいわれたことがあります。
そしてウェイトライダー版のタロット講座も受けました。
けれども結局は「このカードは合わないなぁ」と感じてマルセイユタロットになったのですが……
どれだけカードの個別の意味を覚えてもキーワードを並べても、カードからのインスピレーションが湧いてこなかったから、というのがライダー版を使わなくなった理由です。
ちなみに、ウェイトライダー版とマルセイユタロットの違いや、マルセイユタロットを選んだ理由をこちらに詳しく書いています。
▶マルセイユタロットとウエイトライダー版の違い。タロットカードを選ぶとき初心者にはどっちがいい?
私は、カードが自分に合うことが大切だと思います。
だから「初心者にはライダー版がいいよ」とか「難しそう」というだけで、合うか合わないも分からないまま、他のカードへの興味を閉ざさないでほしいなぁ、とも思っています。
マルセイユタロットから入った方がウェイトライダー版も扱いやすい?!
さて、ウェイトライダー版を使うタロット講座が多いのは確かです。
けれどもマルセイユタロットを読もうと思えば、ウェイトライダー版の講座で学んだ解説ばかりに頼っていられません。なぜなら、ウェイトライダー版とマルセイユタロットが決定的に異なる部分があるからです。
それが、「力」のカードと「正義」のカードの入れ替わりです。数字に付されている絵柄が異なるので、マルセイユタロットに興味が向いた初心者の人は、ウェイトライダー版に混乱しやすいように思います。
またマルセイユタロットの小アルカナは数札です。
タロット初心者が、マルセイユタロットを「難しい」と感じてしまうのは、小アルカナの数札にあると思います。
なぜなら、数札には絵が描かれていないからです。ウェイトライダー版のカードのように一見して分かりやすい印象を得られない、というのがあるようです。
でもね……マルセイユタロットの醍醐味や面白さは、数札にあります。数札だからこそ奥が深く読める、ということもありますし、絵柄に左右されず、本質だけをみることができるからです。
逆にいえば、数札にさえ慣れてしまえば、マルセイユタロットも使いやすいタロットです。そしてタロットの奥深さを、真に実感していただけることでしょう。
もちろんウェイトライダー版は初心者向きといわれるだけあって勉強しやすいことは否定しません。けれども、難しいとされるマルセイユタロットを先に勉強することで、ポピュラーなウェイトライダー版も簡単に理解することができます。
逆に、ウェイトライダー版から入ると数字を意識することが少なくなるので、マルセイユタロットも勉強したいと考えている方は、マルセイユタロットの小アルカナに苦戦するでしょう。
だったら……はじめにマルセイユタロットから挑戦してみませんか?
マルセイユタロットを学ぶのにおすすめしている本たち
さて。
ここからは、マルセイユタロットでおすすめしている本たちをご紹介します。
タロット初心者でマルセイユタロットに興味がある方、また独学したい! と思っている方におすすめの本たちです。もちろん、どのタロットを選んだらいいのかに迷っている方にもおすすめです。
大アルカナで展開する
タロットリーディング実践編
松村潔 著
説話社
魂をもっと自由にする
タロットリーディング
松村潔 著
説話社
この二つの本は、マルセイユタロットに欠かせない数字とエレメントの説明が豊富です。
数字やエレメントを理解するためには役立つ本ですし、カードごとに解説がなされているので、カードの教本としても使えます。
また、「読み物」としてはとても面白い本です。なにより、この本たちから、マルセイユタロットの奥深さを実感していただけるでしょう。
ただ……説明は若干抽象的。カードの本質的なイメージを掴むには断然この本たちは欠かせません。ですが、そのカードが象徴する具体的な出来事や現象についてはそれほど詳しく書かれていません。
実際のリーディングでは、その人の状況に沿った具体的な出来事を読めるかどうか、は大事です。これが「当たるかどうか」にもつながります。ここを思うと、この2冊だけでは少し物足りない……
そこで!「マカロンタロットで学ぶタロット占い」もいっしょにおすすめします!
この本は、タロットの入門書と練習用のミニサイズのマカロンタロットがセットになっています。
マカロンタロットで学ぶタロット占い
加藤マカロン著
ラクシュミー監修
駒草出版
初心者の方には特に、マルセイユタロットを独学するなら、この3冊あれば十分です。実際私は、プロになるまでこの3冊で独学しましたから、胸を張っておすすめします!
タロットカードの意味を読むうえで欠かせない「図像」の参考になる本
大アルカナで展開する タロットリーディング実践編
著者 松村潔|出版社 説話社
マルセイユ版の大アルカナに関する本ですが、図像の解釈が端的にまとめられていて、とても参考になる本です。
「実践編」というだけあって、図像の他に、数字のお話や逆位置のときはどう読むか? についてもまとめられています。
とりあえず大アルカナだけをマスターしたい、ということであれば、まずはこの1冊があれば十分かもしれません。
それほど分厚い本でもないですし、サクサク読めます。
はじめのうちは、消化不良と燃え尽き症候群になってはもったいないので、分厚い本から入るのではなく、内容が十分にありそれほど厚くない本をおすすめします。
カードを手元に置きながらときどき引いてみるなどをして、1冊の本をじっくり何度も読む方がいいと思います。
ちなみにこちらの本は、後出の「魂をもっと自由にするタロットリーディング」と合わせて読むと、タロットの世界観から小アルカナのリーディングまでを網羅できます。
タロットカードで占い方を身につけるために参考になる本
魂をもっと自由にする タロットリーディング
著者 松村潔|出版社 説話社
こちらは、マルセイユ版の大アルカナから小アルカナまでのカードの意味が網羅されています。
前出の「大アルカナで展開する タロットリーディング実践編」とセットで読みたい本です。
ここで参考にしたいのは、小アルカナについて、ということもありますが、特に、大アルカナも小アルカナも、全てのカードの最後に必ず書かれている「積極的な意味と消極的な意味」です。
カードの意味が多くて覚えるのが大変……となったときは、まずはここの部分だけでいいので、押さえましょう。
せっかく興味をもったことでも、はじめに飛ばしすぎて続けることが辛くなっては本末転倒です。
知識の幅は、徐々に広げていけばいいのですから。
ちなみにこの本には、カードの意味だけではなく、カードの扱い方も書かれています。
実は私……シャッフルの仕方がいまひとつ掴めずに、この本を参考にした経緯があります。
最近は動画などもあるので、混ぜ方自体はわかるのですが……
シャッフル(カードの混ぜ方)は、特に「これ」というものもなくて、意外とひとそれぞれです。いろいろ試してみたのですが、どうも自分にしっくりこない……
そんなとき、松村先生の本に書かれていたやり方が自分に最もしっくりきた、というわけです。
自分で「分かっている」と思っていることは、たとえ本に書いてあっても意識にとまらないものですね……当時は読み飛ばしていたのだと思います。それまでこの本のなかに、シャッフルについて書かれている記憶がありませんでした。
どれもイマイチやな……と思ってようやく目についたのが、この本に書かれていたカードのシャッフルについて。
「あ! こんなことも書いてあったんだ……」と、反省したことを思い出します(笑)
初心者の頃は、誰かの真似をするのが一番です。そこから広げていけばいい。
もし、参考にするものがない、今の感覚にしっくりくるやり方がない、という方は、ぜひ、この本を手にとってみてください!
具体的な出来事を読むためには欠かせない本
マカロンタロットは、マルセイユタロットと同じ数字の並び
「マカロンタロットで学ぶタロット占い」は、具体的な出来事を読むには欠かせないエッセンスが詰まった本と、練習用のミニタロットがセットになっています。
そもそもなぜマルセユタロットと異なるタロットの解説本をおすすめしているかというと、具体的なキーワードが豊富に網羅されていることに加え、マカロンタロットの大アルカナが、マルセイユタロットの数字の並びに準じているからです。
ウェイトライダー版はマルセイユ版とカードの並びが異なります。そのため、豊富に出されているウェイトライダー版の本では矛盾を抱えてしまいかねません。そのような矛盾を抱えてしまっては、せっかく得た知識も使いこなせないでしょう。ですから独学をするならば、やはり、カードの並びが同じものにした方がいい。
数字と解釈との矛盾に悩むことはなく、マカロンタロットの教本にある解釈もそのまま採用することができます。
これが、この本をおすすめする一つ目の理由です。
【正義の8】
【力の11】
場を和ませる「かわいい」タロット
占いは、占い師と相談者との場がとても大切です。
「場」というのは、雰囲気や空気感です。
たとえば、お気に入りのカフェで「落ち着くなぁ」と感じることはありませんか?新緑の公園を歩いていると「気持ちいいなぁ」とか、好きな人といっしょにいると「ドキドキする」とか「優しい気持ちになるなぁ」とか、感じることがあると思います。そういうものが「場」です。
つまり、あなたと誰か、あなたと何かが共鳴して作られるものは、すべて「場」なんですね。
そして、占い師と相談者の「場」を上手に作ることができれば、占いは当たります。
場作りのために、チャクラ合わせやラポールといった技術が使われることがあります。これは、カードのリーディングとは異なる技術であり、個別に身につける必要がある技術です。
けれども、技術以外で場作りに役立つもので、誰でも簡単に使えるものがあります。
それが、カードの絵柄です。
マカロンタロットをみせると、ほとんどのお客様が「かわいい!!」とおっしゃいます。
相談者の方には、人には話しにくいことを占ってもらおうとされる方もいらっしゃいます。緊張や不安もあるでしょう。
ところが、このような相談者の「かわいい!」というカードへの反応が、相談者の緊張から解いてくれます。また、それが場にも影響し、占い師と相談者との間に和みに似たような雰囲気をもたらします。
こうしてカードの印象が、相談者に話すやすい雰囲気を作ってくれる、というわけです。
女性受けはよく、10代や20代の方には特に好評です。たとえ鑑定で使わなくても、その場にこのようなカードがあるだけで占い師自身も緊張がほぐれます。
またミニカードなので、占いハウスの狭い空間でも場を憚らずに展開ができます。小さなことかもしれませんが、現場での空間づくりは侮れませんから、結構大きな利点であったりもします。
マカロンタロットの解説本は、マルセイユタロットのリーディング力アップにとても役立つ
マカロンタロットの解説本は、とても優秀です。
(タロットの本の中でも一番読んでいる本で、ずっと愛用しています!)
何が優秀か? といえば……
- 1枚づつ、そのカードにまつわる物語が書かれているので、カードの全体像を掴みやすいから。
- カードが象徴する出来事や現象、人物像が単語で掲載されているため、具象を読む際にとても役立つから。
(具象を読めるかどうかが「当たるかどうか」につながるため) - カードごとに、恋愛、仕事、健康、お金、対人と5つの項目ごとに正位置・逆位置と分けてキーワードを掲載している上に、それぞれにアドバイスまでつけているから。
(特に、恋愛や仕事といっしょに、「健康」の項目を設けて、カードごと解説をしている本って、この本ぐらいじゃないか? と思います。それほど、「健康」を解説する本って貴重、という意味デス)
大アルカナ、小アルカナと隔てなく扱われ、情報量は多いです。それでも読んでいてしんどくならないのは、イラストやマンガが和ませてくれるからでしょう。
またキーワードベースなので、文章を読まなくてすみます。初心者の人がリーディングに困ったとき、そのカードの解説部分を開けばキーワードばかりが目に飛び込むので、カードの意味を端的に効率よく掴むにはとても便利です。
そして、カードの解説の後には、事例もあります。
実際の相談とケルト十字の展開が掲載されており、どう読めばいいのか、まで書かれているんです!!
カードの解説だけではなく実践的な内容まで網羅しており、難しい言葉は一切なく分かりやすい表現と、かわいいイラストで親しみやすい、とても良質な解説本です。
初心者の人がカードに慣れるために使うにもいいし、占い師を目指している人がリーディング力をアップするためにも使えます。
「辛そうですね」「相性はいいようです」というように抽象的で誰にでも当てはまりそうなことは、すぐに読めるようになります。けれども、どんなふうに辛いのか、何が辛いのか、なんの相性がいいのか、など、相談者に沿った具体的なことを読むのは、意外と難しいのです。
それにはカードの本質の理解と想像力が欠かせませんが、マカロンタロットの解説本に掲載された、カードごとの出来事や現象、人物像は、そこをサポートをしてくれます。
なので、レッスンの生徒さんにも絶賛おススメ中の解説本なのです!
いかがでしょう。
「マカロンタロットで学ぶタロット占い」
ぜひ手に取って、その良さを確かめてみてください!
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