タロットのシャッフルのやり方に悩んでしまって、カードを展開するまでにいかないんです……
本などで独学をしていた方が、レッスンを受けられるときによくおっしゃるお悩みです。
特に最近はYoutubeなどの動画でやり方を調べる人も多いようなのですが、それがまた悩む原因にもなっているようです。
この先生はこういう風に言っている。あの先生はこんなやり方を動画でアップしている……いったい誰のやり方が正しいのだろう……
こうして混乱し、「シャッフルからその先に進めなくなってしまったんです」という話は意外と耳にします。
レッスンの受講生の方からこのようなご相談を受ける度に、私がいつもお伝えしていることがあります。
それは「シャッフルをする理由を押えていたら、やり方自体は、自分がいちばんやりやすい方法を取ればいいよ」ということです。
タロットをシャッフルする理由
そもそもタロットは、目に見えない内側の世界のことを目に見える外側の世界に表すものです。
そしてシャッフルは、タロットに「今から○○についてカードでみたいのでよろしくね」と、目に見えない世界と目に見る世界を橋渡しをお願いするための、ある種の儀式です。
タロットを使えばとても簡単に目に見えない世界のことを覗けてしまうからこそ、それなりの心構えと準備は占う側にも大切だ、というわけです。
そして、その儀式の工程は6段階あり、それぞれ数字の意味とリンクしています。
- まぜる→カオスの「0」
- まとめる→内側の世界のエネルギーを外側の世界に注ごうとする「1」
- 方向性を揃える→内側と外側の世界を共有する「2」
- カットする→内側の世界と外側の世界が交わり新しい世界を生み出す「3」
- ひとつの山にする→生み出された新しい世界を安定させる「4」
- 展開する→生み出された世界に魂を宿す「5」
ですから、この6段階の流れが分かっていれば、極端な話、やり方は自分のやりやすい方法を採用すればいい。と私は思っています。
タロットカードのシャッフルについて
では、カードのシャッフルの方法にはどのようなものがあるでしょうか。
- ヒンドゥーシャッフル
- オーバーハンドシャッフル
- ウォッシュシャッフル
カードのシャッフルで栄えるのは、かっこよくカードを切る「ヒンドゥーシャッフル」や「オーバーハンドシャッフル」などでしょうか……
けれどもこのやり方は、占いには不向きな点がいくつかあります。
▶カードがよく混ざらない
▶集中力が途切れやすい
▶一定方向にしかカードを切れない
この3点が大きな理由です。
まず「カードがよく混ざらない」ということですが……
「ヒンドゥーシャッフル」でも「ジャパニーズヒンドゥーシャッフル」でも「オーバーハンドシャッフル」でもいいのですが……これらは、2回シャッフルしたららもとに戻っちゃうんじゃないか?! と思うぐらい大雑把なシャッフルです。
なぜなら、これらのシャッフルは、カードを上から下におろしているだけ、だからです。
ということは、何度シャッフルしても偶数回だとほぼ元のまま。奇数回であれば上下逆さになりますが。1回だと見栄えにはならないし、奇数回かどうかなどいちいち覚えていられません。
二つ目の理由「集中力が途切れやすい」について。
この方法に慣れていないと、カードをかなりの確率で落としやすいです。そして、落としたカードを拾い上げる度に集中力は途絶えます。
また、いったんカードの山を切り終わった後、もう一度シャッフルをしようと思うと、カードの持ち手を変えたりなどの作業が必要です。ここで一瞬でも集中力は途切れます。
「1.まぜる」の工程でタロットをカオスの状態に置くことで、見えない内側の世界の中に没頭していくわけですが、ひと山をシャッフルするだけでは、その世界に没頭するにも時間が短いです。
また没頭している間に、ご相談者様とチューニング(状態合わせ)もします。特に占いでは大切なことで、このチューニングをすることで、カオスの中にご相談者様の無意識をひっぱってくるからです。
またチューニングのテクニックとして、ラポール(特にチャクラ合わせ)、メタ視点、センタリングなどを使うことも多いのですが、これだけのことをひと山でやり終えるには……正直時間が足りません。
三つ目の理由「一定方向にしかカードをシャッフルできない」というのは、逆位置を採用するならば致命傷。
カードは、勝手に逆にはならないからです。
もちろん、「ヒンドゥーシャッフル」や「オーバーハンドシャッフル」を否定しているわけではありません。
カッコよく見えるし、お客様からは「なんだかスゴイ占い師?!」と思ってもらえます。
けれども、それがリーディングの技術に影響するわけではありませんし、集中力が途切れて一連の工程がリズムよく流れないくらいならば、この方法をわざわざしなくてもいいと思う、というのが私の意見です。
それに、シャッフルを意識しすぎてチューニングがおろそかになってしまうと本末転倒です。
そのような理由もあり
占いで最も効果的なシャッフルは、テーブルで混ぜ混ぜ……「ウォッシュシャッフル」
ビギナーシャッフル、焼きそばシャッフルともいわれるそうですが……確かに野暮ったくもあるかもしれませんが、一連の工程とチューニングを重視するなら、断然これでしょう。
見栄えを取り入れて「ヒンドゥーシャッフル」や「オーバーハンドシャッフル」をしたとしても、「ウォッシュシャッフル」の併用は必要だと思っています。
現場でいつも使うシャッフルの方法をご紹介
ここでは、現場でいつも採用している「ウォッシュシャッフル」の方法をお話します。
テーブルの上にカードを置きます。
※利き手にもよるので、あなたがカードを展開しやすい側でいいです。私は、いつも左側にカードを置きます。
カードを弧に描きます。
※これは「ウォッシュシャッフル」とはあまり関係ありませんが、私の場合、この行為がお客様とのチューニングを始める合図であり、集中力を高める切り替えポイントとなっています。
ちなみに、綺麗な弧を描けるとお客様の目を惹く副効果アリ?! ですヨ。
1.まぜる→カオスの「0」
一定方向にカードをまわすように、弧を崩します。
※私の場合は右回りを採用しています。
カードを右回りで混ぜながら、お客様とチューニングをします。
集中力を高めていきましょう。
2.まとめる→内側の世界のエネルギーを外側の世界に注ごうとする「1」
そろそろいいかなぁ、と感じたら、カードを中央に集めます。
※「そろそろいいかなぁ」は直感ですが、気持ちが落ち着いていると大丈夫です。
敏感な人なら、無意識からの合図を感じていると思います。
カードが自然と収まるようにカードをまとめます。カードが向きたい方向定まるように手だ軽くサポートしてあげましょう。テーブルの上に軽く「トントン」とカードを落としてあげてもOKです。
※無理やりカードを揃えようとしないことがコツです。
3.方向性を揃える→内側と外側の世界を共有する「2」
カードの方向は、縦方向と横方向の二つに分かれます。
横方向の左手側を「天」と決めます。
そして、縦方向になっているカードを、左手側に向けて横にします。
きれいに揃えましょう。
4.カットする→内側の世界と外側の世界が交わり新しい世界を生み出す「3」
目の前に占ってほしい人がいるときは、この状態で相手の目の前にカードを差し出します。差し出したカードを、相手に、左手で二つに分けてもらいましょう。
5.ひとつの山にする→生み出された新しい世界を安定させる「4」
分けてもらったカードは、占いをする人が最初の順番とは入れ替えるように左手で再び一つの山にまとめればOKです。
左手側の「天」を上に向けます。
目の前に占ってほしい人がいない時(メール鑑定やオンライン鑑定、あるいは自分を占う時)
相手からのカットが入らないので、占いをする人が、左手でカットを入れます。
※相手の人が目の前にいないとき、私の場合は、いつも、三つ山でカットをします。なので、ここからは、三つ山カットの方法をお話しています。
①の山を二つに分けます。
①を二つに分けでできる二つ目の山②は、一つ目の山①と、カード1枚分を離して置きます。
もう一度、一つ目の山①を二つに分けます。
分けた山(三つ目の山)③は、二つ目の山②と一つ目のの山①の間に置きます。
左から
②二つ目の山
③三つ目の山
①一つ目の山
②③①と並びます。
二つ目の山②を、三つ目の山③の上に乗せます。
一つ目の山①を、その上に乗せます。
再び、ひとつになりました。
シャッフルしたカードを展開していきます
6.展開する→生み出された世界に魂を宿す「5」
カットは左手で行いましたが、私の利き手は右手なので、左手でカードの山を持ちます。
※ここでの展開は「3枚展開」です
1枚目を展開します
2枚目を展開します
3枚目を展開します
展開が終わったら、リーディング開始です!
シャッフルの方法を動画でご覧ください
タロットカードのシャッフルで大切なこと
シャッフルは、目に見えない世界と目に見る世界を橋渡しをお願いするための、ある種の儀式です。
また、お客様とのチューニングと集中力を高めるために欠かせない手順です。
そのため、シャッフルから展開まで集中力を切らさないことが占いをする大前提。
既に慣れているシャッフルの方法がある人は、それを変える必要はないです。無意識にできるほど慣れたやり方が一番です。
またタロット初心者の方にとっては、このやり方が参考になればと思います。
カットを入れるか入れないか、も含め、シャッフルの方法は人によってやり方は様々ですから、最も集中しやすいシャッフルを見つけてください。
シャッフルから展開までで一番大切なのは、集中が途切れることなく一連の流れで展開までを行うこと。
このことだけは頭の隅に置いてもらえたら、嬉しいです。
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