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タロットカードから心理状態や感情の機微を掴むコツ

占いの鑑定で頂くご相談は、仕事に恋愛、パートナーシップ、健康や運勢など、ほんとうに多岐にわたっていて、特定のテーマであっても状況は人さまざまです。

そんなあらゆる状況のご相談を見させて頂くわけですが、どんなご相談であっても、タロットで鑑定をするときに大事にしていることがあります。

それは、タロットにみえる心理状態や感情の機微です。

なぜなら、これらはセッションを進めるための「鍵」になるからです。

では、そのようなセッションの「鍵」となる心理状態や感情の機微はタロットのどこから掴みとればいいのでしょうか……?

この記事では、そのことについて綴っています。

タロットカードから心理状態を掴むコツ

タロットカードを展開すると、その中から人の心理状態をみることができます。

それはスプレッドに並べられた「タロットカード達の変化」=「印象の違い」から見ていくことになるのですが、そもそもカードの「印象」を作るのはタロットを構成する要素たちです。

そのため、カードの変化(印象の変化)からその人の心の動きを読み取るには、タロットを構成する要素への理解を深めていくことは欠かせません。

ちなみに、タロットを構成する要素にどのようなものがあるのかといえば……

 ・エレメント
 ・数字
 ・逆位置-正位置
 ・大アルカナ-小アルカナ
 ・図像(イメージ)
などがあります。
とはいえ……これらの構成要素が変化することでどのようなことが読み取れるのでしょうか?
ここからは、上記に挙げた構成要素の変化から読み取れることの一例をご紹介します。

エレメントの変化からみえるもの

エレメントの変化からみえるのは、価値観の変化、です。

タロットにみるエレメントは4つで、「火(ワンド)」「水(カップ)」「風(ソード)」「土(コイン)」です。

またそれぞれのエレメントには

  • ワンド=火:直感、気力、行動力、ビジョン、創造性、成長力
  • カップ=水:潜在力、感情、共感力、愛、粘着質、想像力
  • ソード=風:知性、知識、情報、言葉、意図、理性
  • コイン=土:五感、体、お金、物質性、現実、固さ

といったキーワード達がありますが、これらのキーワードが各エレメントからみえる「価値観」だと捉えるといいでしょう。

つまりこれらのキーワードから、その人がどんな価値観をもってその出来事と関わろうとしているのか、を読み解くことができるわけです。

たとえば……

仕事のご相談で「カップ=水」が多く出ているとき、その人は、売上や収入などより「人に共感できるかどか」を重視していると読むことができます。仕事の内容やお給料よりも、重視しているのは、人間関係に馴染めるかどうか、といえるわけです。

一方で、「ワンド=火」が多く出ているときは、やりがいや充実感。多少の忙しさは許容範囲にあって、仕事の進め方にある程度の裁量が与えられていることを重視します。

「ソード=風」ならば情報の共有やコミュニケーションの取りやすさは期待しているといえますが、ソードのカードの場合は特に数字の状態には要注意で、既に神経をすり減らしキャパオーバーになっていて、それでも頑張ろうとしている状態として出てくることが多いかもしれません。

「コイン=土」にとっては、勤務条件や仕事内容。それがきっちり守られるかどうか、は肝心です。

数字の変化からみえるもの

数字の変化からみえるのは、加減程度(重い/軽い、多い/少ない)の変化、です。

特に小アルカナでは「1」~「10」の数字が使われますが、「6」が中間地点として、どのエレメントにおいても程よくバランスが取れていて、そのエレメントが周りと調和していて「いい状態」といえます。

また小アルカナの「7」は、そんな「6」に一石を投じ状態を崩すことになるため、どのエレメントにおいても「良さが弱まる」とされます。

そのため小アルカナの「7」のカードは、一般的にどれもネガティブなイメージを伴います。

なお、「ワンド=火」と「ソード=風」は「6」を超えるとエレメントの≪過剰≫反応としてネガティブに表現されることが多いです。

それは、「ワンド=火」は≪煽る≫質で、「ソード=風」は≪離す≫質にあって、どちらも「陽気」の質だからですが、数字が少ない方が動きの程度が軽やかになり数字が大きいと本来の動きが鈍ってしまうからです。

一方で、「カップ=水」と「コイン=土」は「6」を超えるとエレメントの≪過剰≫反応としてポジティブに表現されることが多いです。

なぜなら、「カップ=水」は≪くっつく≫質で、「土」は≪かたまる≫質にあって、どちらも「陰気」の質だからですが、数字が多い方が本来の質がより強調されるからです。

逆位置-正位置の変化からみえるもの

逆位置-正位置の変化からみえるのは、エネルギー状態(自然/不自然)の変化、です。

タロットは、そのカードの本来的な表現は「正位置」によって表されるため、カードが逆位置のときは≪そのカード本来の力がうまく発揮できていない≫と捉えます。

ただし、たとえば「愚者」のカードは「愚者」であって、「愚者」が逆位置になるからといって意味が180度反転して「賢者」になるわけではありません。

「逆位置」も≪そのカード≫であることには違いなく、ただ「逆位置」になっているということは、そのカードが過剰反応になっているか過小反応になっていることを教えてくれている、ということです。

大アルカナ-小アルカナの変化からみえるもの

大アルカナ-小アルカナの変化からみえるのは、抽象度(運命的/運勢的)の変化、です。

大アルカナは「すごい」のではなく、大アルカナはその表現の抽象度が高いだけに、そこにはたくさんの意味が含まれている=意味深、というだけです。

そのため、見方を変えれば「いろいろなものが見える」のが大アルカナのカードで、読み取る進度を変えれば、深層心理的な深いところから日常的な現象まで、読み方の自由度も高いです。

一方で小アルカナは、大アルカナよりも具体性が高いだけに日常的な現象を捉えることが得意です。

つまり、大アルカナの状況を詳しく説明して補足してくれるのが小アルカナの役割でもあります。

また日常の繰り返しが物事を意味深にさせていくわけですから、大アルカナは状況の転機として捉えると読みやすくなります。

図像(イメージ)の変化でみえるもの

図像(イメージ)の変化からみえるのは、一見的な印象(ネガティブ/ポジティブ)の変化、です。

カードのネガティブ/ポジティブの変化は、そのまま、状況のネガティブ/ポジティブの変化として捉えるといいです。

それはたとえば……

停滞感からの動き、であったり、混沌からの吹っ切れ感、であったり、あるいは、喜びからの悲しみ、であったり、崩壊からの再生、であったりします。

もちろんポジティブな状況がネガティブに転じることもよくあることですが、いずれにしても注目したいのは、変化の境目(変化の節目)にどんなネガティブ/ポジティブを起こしているのか、を読み取ることが大事になります。


さて、構成要素が変化することでどのようなことが読み取れるのか、についてご紹介していきました。

  • エレメントの変化→価値観の変化
  • 数字の変化→加減程度の変化
  • 正位置/逆位置の変化→エネルギー状態の変化
  • 大アルカナ/小アルカナの変化→抽象度の変化
  • 図像(イメージ)の変化→一見的な印象の変化

これらの変化とギャップを組み合わせていくことで、その人がどのような心的状態にあるのかを図り、その人の感情の機微を汲み取ります。

どこかパズルを解いているような感覚になりますが、タロットの構成要素の変化に注目できてくると、単にカードの意味に当てはめるだけでは汲み取れないものが見えてくることは確かです。

そのため、この変化とギャップが掴めたならタロットのリーディングも表面的なものにならず、より深みあるリーディングになっていくことでしょう。

タロットから心理状態や感情の揺れを読み取るときにくれぐれも注意したいこと

さて、最後にひとつ……タロットから人の「心理状態」や「感情の揺れ」を読み取るときにくれぐれも注意しておきたいことがあります。

それは、一般化された解釈を真に受けない、ということです。

たとえばエレメントの区別を強調するために、このような表現を見聞きすることがあります。

・≪水≫が強いと、感情的になりやすく感情で物事を判断しやすい
・≪風≫が強いと、客観する力が強く冷静で感情に呑まれにくい
・≪土≫が強いと、感情よりも現実的に物事を考え人に流されにくい
・≪火≫が強いと、我が道をゆく傾向が強く相手の気持ちを察しにくい

このような表現は、エレメントの性質を際立たせることでそれぞれの特徴を差別化したいときには役立ちます。

けれども、これは、あくまでもエレメントの区別を分かりやすく表現するために誇張した言い方で、エレメントの比較から特徴を分かりやすく言い回すよう意図した表現です。

あくまでも全体性のなかの一部分を切り取った表現に過ぎません。

またここを理解しないまま、本に書かれた表現や一般化された解釈を当然のように人に伝えてしまえば、とんでもない間違いと誤解を招きかねません。

このことは、くれぐれも注意をしておきたいところです。


どんなに親しい人でも、自分とその人との「感じ方」が必ずしも同じではないように、「感情」とのかかわり方は人それぞれです。

またエレメントによる相対的な「感じ方」の違いや扱い方の傾向はあるとしても、誰しもが「感情」に呑まれることはあるし流されうるものです。

感情との関わり方の知識があるかないかや、生育環境、これまでの人生経験などによって、実際的な「感情」の取り扱い方や表出の仕方は変わりますが、たとえどれだけ知識があっても、感情を味わうことなしに人は生きていけません。

また、感情に呑まれることや流されることが「ダメなこと」では決してありません。

ときには感情に呑まれることを承知で「感情」と向き合うこともあるでしょうし、周りからは感情に流されているようにみえても、それをすることがその人にとっては必要なときもあるでしょう。

自分らしく生きたい、と思えばなおさら、勝手に湧いてくる妬みや恨み、憎しみといった感情を見ないようにしていては本末転倒で、それらを昇華することなしに、つまり、感情に呑まれることをやり切らずに、その先にある「自分らしい」道が開けることもないからです。

耳障りのいいことばかりやっていても埒が明かないことは多く、ときに、自分にとって辛辣なことに向き合うことで変わっていくことがほとんどです。

そういう「感情」の扱い方を知ったうえで、本やインターネットが教えてくれる「意味」を真に受けるのではなく、目の前に展開されたタロットの様子の変化から読み解くクセが身につけられると、今よりずっと、タロットのリーディングはうまくなります!

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