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タロットと心理学|タロットで自分を占うことは、タロットを俯瞰して自分を客観するのと同じこと

「自分で自分を占う」ことをテーマに、数カ月間にわたって、うらないばのオンライン講座では「生命の樹」をピックアップしていました。

「自分で自分を占う」ときに生命の樹の概念はとても重宝するからですが、特にタロットを使って「生命の樹のスプレッド」を展開し、そこから自分のことを眺めていると、なかなかに興味深いものでもあります。

ところで、今年に入ってから個人鑑定だけではなく企業のアドバイザリーとしてマネジメントに関わっていて、その中で「客観することで物事を捉えなおす」ためのトレーニングを社内向けにご提供しております。

そしてこの時に用いる、心理学の一派、NLPでよく用いられるメタ認知を得る手法(物事を俯瞰、客観する方法)があるのですが、実は……

この手法を扱っているときに得られる感覚が、タロットを読んでいるときに得られるものと「同じ」に感じるときがあります。

もちろんタロットは「占い」に属していて、NLPは「心理学」に属しているわけですが、日常的にタロットを読みNLPを研鑽していると、改めて、気づかされることも多いです。

タロットで自分を占う=タロットを俯瞰し自分を客観する、という理由

「タロットで自分のことを占う」ということは、ある意味「タロットを俯瞰することで自分を客観している」ことに等しいのですが、展開にできてたカード達を「そのまま」に眺められない人が多いようなのです。

けれどもこうなると、「自分を客観する」には至りません。

たとえば、「自分で自分のことを占うと、まるで自分のこれまでの状況を振り返りなぞっているだけのようで、読めているのかよくわかりません」というお話を伺うことがよくあって、それはなにも「カードの意味がよく分かっていないから」というわけでもなさそうです。

よくよく突っ込んでお話を聞いてみると、どうもその根底に「展開のなかに自分でも気づかない≪なにか≫があるはずでそれを読まないと!」という意識があるようなのです……

とはいえそういう意識があっては、ほとんどの場合において、カードを「そのまま読む」ことから遠ざかってしまいます。

なぜならカードを「そのまま読む」のではなく、カードに無意識の期待と疑いをかけてしまうからです。「きっと、ここにはなにかあるんじゃないか??」と。

けれどもタロットは読めるままに読んでいたら、向こうから「こういうこともあるでー」とまるで教えてくれるように気づかせてくれます。

それは俗にいう「直感」といわれるようなものですが、読み始める前から「何かあるんじゃないか……??」などの期待や疑いといった気張りがあると、その気張った意識が直感覚の邪魔をして、「アッ!」という感覚からの気づきを拾えなくしてしまいます。

また「読まないと!!」と気を張ってしまうのも、タロットを読めなくしてしまう原因の一つだったりします。

直感覚のような無意識の特徴を思えば、意識は「なんかあったら教えてなぁ~」ぐらいの緩さにあるのがちょうどよく、気張りは禁物なのですが、それは無意識と関わりが深いタロットリーディングにおいても同じなのです。

タロットで自分を占うときにやっていること

さてタロットで自分のことを占うときは、タロットを展開してスプレッドのなかに「自分をみる」ことをしていて、これが「タロットを俯瞰し自分を客観する」ということなのですが、もう少し表現を変えると……

「自分」を頭の中から外にいったん出し、タロットに「自分」をのせることでカードを通して自分を眺めることをしているのです。

つまり、タロットによって自分がどんな考えや感情にあるのかを見せられているわけですが、それを「眺める」ということは「客観している」ともいえるので

「タロットで自分を占う」ということは「タロットを俯瞰して自分を客観する」に等しいとお伝えしているわけです。

またこれは、自分の状態がタロットによって可視化される、という前提があって成せることでもあります。

そのため、このような前提を持ったうえでタロットが扱えると、自分の思考から外に出て「自分を眺める=自分を客観する」ことが容易にできるようになるわけですが……

なぜこれほど「自分を眺める」ことや「自分を客観する」ことを強調しているかというと、この「自分を眺める」ことはなかなかに大事で……

自分が今いる現在地が分からないままに行きたいとする先の目的地までの切符は買えない

から。

どれほど
「パートナーともっとうまくやっていきたい」
「もっといい職場で仕事をしていきたい」
「やりたい仕事で稼いでいきたい」
「いい人と出会いたい」
「人間関係に躓きたくない」

など、目指したい状況を描いてみても、今の自分の在り様を眺めることなく、またそのままの状態を認めることなしに

○○メソッドとか○○法といったテクニックをどれだけ学び取り組んだところで、その効力は発揮されず、下手をすると、ありとあらゆる方法論に彷徨う事態にもなりかねません。

つまり「自分を眺める」ことが大事というのは、「今の自分」の状態や状況が素直に認められないことには「自分」の時間が進まないからです。

たとえどれだけ物理的な時間を経て身を置く環境が変わっても、「自分」は止まったまま、一向に満たされない不足と渇きの中でもがくことになるからです。

タロットで自分を占うときに役立つ心理テクニック

ちなみに「自分が今いる現在地が分からないままに行きたいとする先の目的地までの切符は買えない」という表現は、「今の自分」を自覚できないままには望み願う先にはいけない、ということを指す言葉の綾です。

そして「今の自分」を眺めて受け入れるのは、思考の枠の中に囚われたままではできません。なぜなら、思考はすぐに自分を防御しようとしますから……

みたくないもの(それは自分の性格的なものだけではなく、自分の欲や欲しいもの、願っているもの、憧れなどの、「自分にないもの」を求めたくなる情動も含め)に目を伏せ

「このままでは嫌!」という憤りでさえ、「どうせ私はこういうものだし」といった言葉で納得を代替えしようとするからです。

このような思考の作用が働くと、「今の自分」をありのままに見させてくれないのです。

そこで、こういうときに役立つのが「タロット」というツールです。

なぜならタロットは、≪「そのときそのば」の状態から起こりうる可能性≫を教えてくれる占術ですから、そこには「今の自分」が浮き彫りされてくるからです。

そのため私は、タロットという道具を使って

「自分」をタロットにのせる(自分で自分を占う)ことで「自分を眺めよう」

といい、そこに見えるのは、まるで「自分をなぞる」ようなものだとしても、まずはそれを「受け入れる」「認める」ことをしていこう、といいます。

ただし……

先ほどからもお伝えしているように、「タロットで自分を占う」=「自分を眺める」=「自分を客観する」ことでもあるので、もしタロットを展開してカードが読めていると感じられないとき読みにくいと感じるときは、以下のような手順を辿ってからカードを眺めてみることをおススメしています。

「自分でも気づかない≪なにか≫があるはずだ」という意識でカードを眺めると、その意識が思考に圧力をかけるため、カードを「みたい自分」に歪曲してしまいかねない

だからまずはその意識を切り替えるために、大きくひと呼吸、ふた呼吸……意識的に空気を体の中に取り入れる

気のすむまで呼吸を繰り返したら

次に自分の目線を自分の頭の後方にずらすイメージを描く

(イメージの中で)自分の目線をその位置に持っていき、そこから生命の樹やケルト十字のスプレッドを眺めてみる

ポイントは、離れたところからタロットを眺めている感覚になること

タロットを読もうとするとき、同時に自分の目線を自分の頭の後方にずらすイメージをすることに慣れてくると、タロットを展開したときに自ずと自分の目線が後方に移るようになります。

でもなぜ、イメージをすることに慣れてくると自分の目線が後方に移り、イメージの世界で起こっていることが実際的なタロットリーディングに役立つというのでしょう……

それは、心理学の世界では「人の脳はイメージと現実との区別ができない」といわれているからです。

イメージを通して「自分の目線を自分の頭の後方にずらす」感覚を得ることを何度も返し続けていると、脳がイメージすることに慣れてきます。すると脳は、それが「実際に起こっていること」と勘違いしてしまうのです。

つまり、自分の目線が後方に移りそこからタロットを「眺めている感覚が得られている」ときは、「眺めている」、の同じであるということです。

ちなみにこの手順は、NLPのメタ認知を得るときに使う手順でもあり、タロットをそのままに眺めることが難しいとなれば……こういう心理学の手法はとても重宝します。

しかもこの方法は、特別な道具を必要とするわけでもありません。「イメージ」を描くだけでいいのですから。

そのため、占い師になりたての頃によくあるお客様の圧にビビってしまうときや「カードが読めない!!」となったときに、自分を落ち着かせ本領を取り戻すときにも活かせる、便利なテクニックでもあります。

タロットで自分を占う醍醐味

さて、ここまではタイトルにあるとおり、「タロットで自分を占うことは、タロットを俯瞰して自分を客観するのと同じこと」の理由や役立つテクニックなどをお話してきましたが、実はこの話を通して、最も声を大にしてお伝えしたかったことがあります。

それが、この章の「タロットで自分を占う醍醐味」についてなのです。


タロットで自分のことを占う醍醐味は、まさにこのような「≪今の自分≫を客観できる」ところにあると、私は思っています。

言葉を変えると「他人」を見ているように自分を眺められることであり、しかもそれは、タロットの本を参考にカードのキーワードをあてがいながらでもできることだったりします。

心理学の知識がなくてもタロットに興味があれば誰でも簡単に取り組める俯瞰の手法で、タロットの意味が分からないときのために本を1冊手元にカードを眺めればいいので、タロットのことをよく知らない人でもできます。

逆に知識があると「あーでもない」「こーでもない」と思考が煩くなってしまうので、この場合はむしろ、本から気になるキーワードをあてがうやり方の方が直感覚が拾いやすくなると思います。

そしてこのときのコツは……

たとえ「ワンドクイーン」や「ソードキング」が逆位置でも
あるいは「ソード3」や「カップ5」が出ていても「悪魔」でも「法王」でも……「塔」や「節制」「隠者」が出ていても

どんなに自分が苦手とするカードでも、反対に、嬉しいと感じてしまうカードが出ていても、そのまま眺めてみることです。

そこからもし
「ソードキングの逆位置」のままでは不都合だ
「悪魔」から抜け出そう「塔」から復活しよう
あるいは「節制」であり続けたい

などの感情が出てくるならば、そういう感情を否定せず、同時に持っていることも認めることです。

前述で

自分で自分のことを占うと「まるで自分のこれまでの状況を振り返りなぞっているだけのようで、読めているのかよくわかりません」というお話をよく伺う

と記しましたが……

たとえタロットをちゃんと読めているのかが分からなくても、それらのカードから、自分の過去をなぞっている感覚が得られるのならば、その「なぞれている過去の自分」は「今の自分でもある」とみることが大事です。

それはもしかすると「過去から何も変わっていない自分がいる」ということなのかもしれませんが、まずもってこの見方ができないと、同時にタロットが見せてくれているはずの「その先に起こりうる可能性」や「過ごし方のアイデア」に気づくことはできないだろうと思います。

自分で自分を占うからこそ、その展開の中には、ただ「自分」がいるだけ

こういう前提とともにタロットを扱えるようになると、はるかに「今の自分」が見やすくなると思います。

 

タロットを学び始めた頃は、「占うのに心理学の知識は要らない」という占い師の方と出会うことがよくありましたが、今になって実感することがあります。

それは、どんな心理学の流派でもテクニックでもいいから、たった一つでも真剣に研鑽していくと、占いの醸すスピリチュアル性の中に見えてくる景色と同じような景色が見えるときがあることです。

その景色がどういものか……まだ皆様にシェアできるほどハッキリと「これだ!」と表現できるものではないのですが、それでも、心理学を学ぶことは無駄ではないと思いますし、むしろ心理の知識があると、形骸したスピリチュアルにハマる前にタガが締まり、より安全に安心して占いやスピリチュアル性を扱えるのではないかと思います。

アカデミックとオカルトのバランス感覚は、占いをする人ならばあるといいのではないかと、改めて思います。

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