タロットの意味を一生懸命に覚えても「カードが読めない」となっている人は多いかもしれません。
タロットの講座やレッスンでたくさんの方の「リーディングができない」というお悩みをお伺いするなかで、「大アルカナの意味は覚えているのにリーディングに繋がらない……」というご相談もよく頂戴します。
大アルカナの意味は分かります。いろんな本を読んで、一通り勉強しました。
けれども、タロットを読もうとすると、なかなか読めないんです。
意味を覚えていないからだと思って、本を片手に読んでみたりもするんですが、本に書いてある意味をあてはめていくと、だんだんと分からなくなってくるんです。
大アルカナの意味ってたくさんあって、その中からどの言葉を選べばいいのか迷ってしまったりもします。
それで「結局、どうなん??」ってなってしまって、読むのをあきらめてしまうんです……
大アルカナのカードの意味は分かるんですが、意味の違いがよく分かっていないためか、タロットをリーディングするとなると読むのにつまずいてしまいます。
私が持っている本には、「女教皇」と「隠者」はどっちも「思慮深い」とか「熟慮する」って書いてありますし、「死神」と「塔」も「倒産」とか「別れる」とか同じ意味がつけらています。でも、その違いがよく分かりません。
あと「女教皇」に「女性性」という言葉があって、「女帝」には「母性」という言葉があったりしますが、それってどう違うの?? って思ってしまいます……
「皇帝」と「法王」も、いまひとつ区別がつけられません。
カードの違いが分かるようになってタロットをもっとうまく読めるようになりたいんですが、どうしたらカードの違いを覚えられるでしょうか……
タロットの本はたくさんあって、最近ではブログやYoutubeなどでもカードの意味を教えてくれるものはいっぱいです。
そのためタロットカードの意味を知ることは簡単にできるのですが……「カードの意味は分かるのにタロットが読めないのは、まだ十分に意味を覚えていないからでしょうか……」というご相談が絶えません。
けれども、タロットのカードから読み取ることができる意味というのは無限にあって、率直にいって、タロットの意味を覚えるには限界があります。
そのため、カードの意味をいくら一生懸命に覚えようとしても切りがありません。
だからいつも私は「タロットの意味を覚えるなら本を1冊ぐらい読めば十分だよ」とお話していて、なぜなら、カードのポイントを抑えておけばタロットの意味を覚えなくても解釈できることが無限に広がっていくからです。
そこで今回は、特に「大アルカナ」をテーマに、カードの意味を覚える限界についてお話するとともに、意味ではなく、大アルカナで覚えておきたいポイントをお話していきたいと思います。
大アルカナの意味を覚えてもリーディングができない理由
大アルカナはとても抽象的なため、そこに含まれる意味は無限に広がります。
そのため、その意味を網羅するには限界があります。
▶参考記事:タロットの大アルカナと小アルカナの違いを「アルカナ」の意味も含めて考えてみる
またカードの意味は変わることがあるのです。
そもそもタロットの起源は不詳ですが、少なくとも15世紀には占いとして用いられていた記録はあるそうで、その当時に付されていたカードの意味は、必ずしも、現代で使われている意味と同じではないと思います。
たとえば今や当たり前になっている「インターネット」は、その当時にあるはずもなく、けれども、現代でタロットを読むときに「インターネット」という言葉が使われても違和感ありません。
また健康を読むときに「免疫力が落ちている」などと表現することがあっても、15世紀に「免疫」といった言葉はなかったでしょう。
タロットには「馬に乗った騎士」が描かれていますが、現代で「馬に乗った騎士」はほとんど目にすることはなく、けれども、15世紀当時のヨーロッパは中世後期。日本は戦国時代です。
領土を拡大するために戦うことが「あたり前」とされていた時代と、今の現代が全く同じ価値観でいられるはずもありません。
つまりタロットで読めることは価値観によって変わる、のです。そのため、大アルカナの意味も変化しています。
それは時代の影響だけではなく、地域や文化の違いによっても、そこに付される意味や解釈される言葉が変わっても不思議ではありません。
またそもそも78枚のタロットだけで、恋愛から仕事のご相談、健康に開運、相続問題に介護問題などなど、ありとあらゆる悩みやご相談に応えていくことができるのです。
そのため、その時々によって意味を解釈していかなければならないのがタロットであり、必ずしも本に書かれている意味が使えるとは限りません。
タロットの意味を覚えただけでは、その時々に応じた柔軟なリーディングをすることができず、このことは、大アルカナの意味をどれだけ覚えてもリーディングができない理由のひとつでもあります。
そしてタロットは、どんなシチュエーションがあっても応えることができるよう、カードの本質的な基本事項を掴んでおくことがなにより大事なのです。
逆に、カードが表す本質的な基本事項さえ押さえておけば、その解釈の自由度は高くクリエイティブなものとなります。
では、タロットの本質的な基本事項とは何でしょう?
それは、数字やエレメントなどの象徴であり、それらを理解していくことがタロットのリーディングのコツでもあります。
なお数字に関しては、こちらの記事をご参考ください。
▶参考記事:タロットカードの数字と意味|マルセイユタロットで占うコツは数字がカギ!
またエレメントに関しては、こちらの動画で取り上げています。
コートカードの説明をしていく流れからの動画ですが、エレメントを捉えるコツをお話していますので、ご参考いただけると思います。
大アルカナで覚えておきたいカードを解釈するポイント
さてここからは、特に「大アルカナ」について覚えておきたいカードを解釈するポイントについてお話していきます。
ただし、「大アルカナ」を探求しようと思えば尽きないものですから、「こういうもの」と断定することはとても難しいです。
そのためここで皆様にお伝えできることは、あくまでも私がリーディングをするときに土台としていることです。
大アルカナの捉え方のひとつとして、「数字」とカードの「占星術対応」に、特にそのカードを表すポイントを一言でまとめています。
大アルカナを読むときのご参考になれば嬉しいです。
【愚者】
- 数字:0
- 占星術対応:風のエレメント(天王星)
- ゼロの概念≪あるようでない/ないようである≫をもつ「愚者」
- 無意識レベルから意識に向かう旅立ち
【魔術師】
- 数字:1
- 占星術対応:水星
- 目に見えないものを現実世界に降ろす過程が描かれている「魔術師」
- まだ「形」としての確実性には欠けている=「はじまり」の段階
【女教皇】
- 数字:2
- 占星術対応:月
- はじまりの「陽」の気を受けて「陰」の気でリアクションをする「女教皇」
- 顕在された世界は潜在の世界(目に見えない世界)と共存していることを表す
【女帝】
- 数字:3
- 占星術対応:金星
- 陰と陽の交わりによって生み出された「女帝」
- 「自分は何を求めているのか?」に意識を向けることで生み出すことができる
【皇帝】
- 数字:4
- 占星術対応:牡羊座
- 行動することで形(現実)を成し自分の土台(ベース)を作り上げる「皇帝」
- 行動によるパターンが蓄積し潜在化することで「潜在意識」が成ることを教えてくれる
【法王】
- 数字:5
- 占星術対応:牡牛座
- 土台(ベース)に「生きる力」が宿ることで人と成すことに気づかせてくれる「法王」
- 古いものと新しいものとの橋渡しからあらゆるものとのコミュニケートを図る
【恋人】
- 数字:6
- 占星術対応:双子座
- 感情的な気持ちや条件などではなく直観を信じて未来の選択を!という「恋人」
- 「陰と陽」の表裏が調和することも表す
【戦車】
- 数字:7
- 占星術対応:蟹座
- ここからどのようにすすんでいくか?を問いながら前進する「戦車」
- 衝動や本能を抑え自分の運命を乗りこなすために感情と向き合うことが大事という
【正義】
- 数字:8
- 占星術対応:天秤座
- もっと先に進むためにどのような判断をして方向性を決めていくかを問う「正義」
- 自分のしたことが他から返ってくる因果応報とバランス感覚を教えてくれる
【隠者】
- 数字:9
- 占星術対応:乙女座
- 過去の歩みを照らし出し顕在化させる「隠者」
- 今までのことを「ひとつの結果」として振り返ることで反省や休息が起こる
【運命の輪】
- 数字:10
- 占星術対応:木星
- 物事がひとつの「結果」を迎え「次」なる新たなステージに目を向ける「運命の輪」
- キャパシティの広がりから新たな自分を発見していく
【力】
- 数字:11
- 占星術対応:獅子座
- 新たなステージに立ちそこから前進していく勇気や意図し続けることが試される「力」
- 衝動や本能をコントロールすることで方向転換を図ろうとする
【吊るされた男】
- 数字:12
- 占星術対応:水のエレメント(海王星)
- 自分の運命をどのように生き現世で表現していくのかを瞑想する吊るされた男
- 精神性を養うために動かないことを良しとしている
【死神】
- 数字:13
- 占星術対応:蠍座
- 取扱いが難しい自分の難儀な部分と向き合うことで苦しい現状からの変容を促す「死神」
- 「生まれ変わる」ための決別や決意を引き出す
【節制】
- 数字:14
- 占星術対応:射手座
- 生みの苦しみを経て陰と陽の調和を取り戻す「節制」
- 自然な流れの中で物事が上手く運ばれていくことを教えてくれる
【悪魔】
- 数字:15
- 占星術対応:山羊座
- 生存本能に関わる深い欲望をのぞかせ「ほんとうに欲しいものは何?」と問う「悪魔」
- 自分自身が進化していくためには欲望をコントロールすることが大切だという
【塔】
- 数字:16
- 占星術対応:火星
- 奢りや誤魔化しによって作ってきたものは「崩れるべくして崩れる」という「塔」
- 突発的な、思ってもみなかった変化、として表れてくる
【星】
- 数字:17
- 占星術対応:水瓶座
- 何もかも崩れ去った大地に新たな生命をはぐくむ水を流す女神のいる「星」
- 目に見える保証はなくとも自己信頼と希望は失うことなく新たな世界を目指し進む
【月】
- 数字:18
- 占星術対応:魚座
- 自らの進む道をみつけたことで心の奥深くから出てこようする「本能」を照らす「月」
- その時々で変化する感情と向き合いながら己の道を進むことを応援してくれる
【太陽】
- 数字:19
- 占星術対応:太陽
- 自分の光輝くものを世の中に、現実世界に表現していく「太陽」
- ほんとうの意味での「自己表現」ができる段階になったことを教えてくれる
【審判】
- 数字:20
- 占星術対応:火のエレメント(冥王星)
- 隠れていたものや隠していたものが露わになり運命の昇華を迎える「審判」
- これまでのパターンからの変化や大きな決断をするなどの「転機」が起こる
【世界】
- 数字:21
- 占星術対応:土のエレメント(土星)
- 祈り願ったことが実現しこれまでやってきたことが腑に落ちる感覚を味う「世界」
- 環境が変わるときや新しい旅立ちをしていくときに出てくることも多い
まずはアルカナだけでも読めるようになるには?
さて、ここまでに「大アルカナ」について覚えておきたいカードを解釈するポイントについてまとめてみましたが、文章だけでは伝えきれないものもあります。
そのため、ここでピックアップした大アルカナのポイントについて、もう少し詳しく解説している動画を作りました。
タロットの大アルカナの意味はある程度分かるけど、タロットをリーディングしようと思うとどう読めばいいのかに迷い、つまづいてしまう方のための
大アルカナの意味を覚えてもリーディングができないときの処方箋
として制作したタロットの大アルカナの覚え方とリーディングのコツが動画で学べる無料講座です。
実はこの無料講座……
「大アルカナの本質について知りたい!」というお客様のご要望から生まれたもので、うらないばがご提供している有料の動画講座の一部としても取り上げている内容です。
そのため
- 大アルカナの意味はある程度分かっているのにリーディングにつまづく
- 大アルカナのどの意味を当てはめるといいのかに迷ってしまう
- 大アルカナの意味ではなくもっと本質的なことを知りたい
- まずは大アルカナだけで占えるようになりたい
- タロットのリーディングがもっとうまくなりたい
のような方には大いに活かしていただけると思います。
大アルカナの本質を掴んでいると、どうしたらいいのか迷っていてアドバイスや考えるヒントが欲しいとき、大アルカナをたった1枚引いてみるだけでも、状況を打開するためのアイデアがひらめくようになります。
意味を覚えるのだけでは得られない、大アルカナが「云わんとすること」が分かるようになるからこそ、たった1枚だけでも強力なアドバイスツールとして活躍してくれます。
特に初心者の方なら、意味よりも先に大アルカナの本質を掴んでいただいた方が、タロットの理解がぐんぐん進むようになり、カードの意味を覚えようとするにもずっと楽になると思います。
「まずは大アルカナだけでも読めるようになりたい!」「大アルカナだけでも先に勉強していきたい!」となれば、無料でお届けしていますので試しにご覧になってみませんか?
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みなさまのタロットライフが充実したものとなりますよう、お役に立てましたら嬉しいです!
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