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相談者さんのお話とタロットカードの印象に食い違いがあるときの、セッションの進め方

鑑定やセッションをしていると、目の前の相談者さんの言葉に、ついつい引きずられてしまうことはありませんか?

たとえば、ご相談者さんが「本当に辛くて、しんどいんです」「とても嫌なんです……」と今の状況とお気持ちをぽつりぽつりと話してくださるとき

あるいは、彼とのこれからの展開をすごく嬉しそうにワクワクしながら話してくれるとき

けれども、実際にタロットを展開してみると……

相談者さんは「本当に辛くて、しんどいんです」「とても嫌なんです……」とおっしゃっているのに、タロットの展開には「ワンド6」や「カップ10」のように、周りと上手く関われていたり人に恵まれている、というカードが出てくることがあります。

反対に、彼とのことをすごく嬉しそうにワクワクしながらお話ししてくれているのに、カードには「カップ4」や「ソード8」などの、なんだかどんよりとした停滞感やモヤモヤを思わせるようなカードや

あるいは、「女帝の逆位置」や「恋人の逆位置」のような、どこから心が寂しく迷子になっているような様子が、そっと顔を覗かせていることもあります。

目の前の相談者さんがどれほど辛そうに現状を訴えていても、展開されたカードが「大丈夫だよ」「恵まれているよ」と示していたり

逆に「愛されている」と微笑む相談者さんの前に、ワンド10やソード9といった重苦しいカードが並ぶこともあります。

このような相談者さんのお話とタロットカードの印象に食い違いがあるケースは意外と多くあるのですが、みなさまなら、どのようにセッションを進められますか?

タロットのリーディングは「カードのメッセージを受け取る」ことに徹しよう

さて、「相談者さんの話とタロットカードの印象に食い違いがある」というギャップに出会ったとき、自分の「占うスタンス」がハッキリしていれば、言葉に詰まってドギマギすることもなく、自信を持ってセッションを進められます。

では、どんなスタンスがあると、タロットの読み手は、どんなときでも冷静で穏やかにあれるのでしょうか……

それは、相談者さんの言葉やストーリーを受け止めつつも、それはあくまで「ひとつの可能性」として認識すること。

そしてタロットを読むならば、まっさらな気持ちで「カードのメッセージを受け取る」ことに徹すること。

カードの読み手も一緒になって、そのストーリーにどっぷり同調してカードの解釈を歪めてしまっては本末転倒で

話し手の言葉に寄り添い共感しながらも、「カードが示す客観的な事実をそのまま受け入れること」が何より大事だと思っています。

なぜなら私たち人は、自分の心を守るために、ついつい目の前の出来事を自分のフィルターで見てしまいがちだから。

自分が「見たいように」見てしまう心を守るたの無意識のフィルター

多くの人は、心がポキッと折れて傷ついてしまうことを恐れるあまり、自分の本音を無意識のうちに別の感情へカモフラージュしてしまいます。

たとえば……

パートナーや親しい友人に対して、本当は「寂しかった」「一緒にいたい」と言いたかっただけなのに、口から出たのは「どうせ私のことなんて、どうでもいいんでしょう!」というトゲのある言葉だった。

そんな経験、ありませんか?

本当は「寂しいから、もっと一緒にいたい」と素直に伝えられれば、お互いにもっとハッピーで、気持ちが通じ合うはずです。

それなのに私たちは、愛されたい、大切にされたい、という気持ちが裏返って、「私のことなんて放っておいて!」と怒ってしまう。

誰よりも大切にしたいのに、大好きなのに、まるで相手を嫌っているかのような態度をとってしまうのです。

このすれ違いは、私たちの心が無意識に「これ以上傷つきたくないよ」と自分を守ろうとして起こる、「防衛反応」です。

一見すると、ただ感情的に爆発しているだけのように見えるかもしれません。

けれども本質的には、自分の壊れそうな心を護り、これ以上傷つかないようにするために、脳が都合よく現実の捉え方を変えてくれる、防衛システムです。

素直に「寂しい」と言っても、もし相手から冷たくされたなら、いよいよ心が粉々に砕けてしまい、立ち直れなくなってしまうかもしれない……

だからこそ、私たちは無意識に「怒り」という面をかぶり、「これ以上、私を傷つけないで!」と、自分を一生懸命に守ろうと頑張ってしまうのです。

占いを扱う上で見落とされがちなこと

占いを扱う上でとても大切なのに見落とされがちなのが、「目の前の事実をありのままに捉える」という客観的な視点です。

私たちは誰もが、ひとりで頭の中でぐるぐる考え込んでしまうと、どうしても自分を守るための「都合のいいストーリー」を頭の中に描き出してしまいます。

ちなみに、ここで言う「都合がいい」とは、決して「自分にとって楽な解釈」という意味ではありません。

むしろ、「傷つきたくない」という切実な願いから、無意識のうちに見方を優しく、時には厳しく変換してしまう、とても人間らしい心の働きなのです。

先ほどの

パートナーに対して「寂しい」という本音を言えずに、「なんで私のこと放っておくの!」と怒ってしまったり、大好きなのに嫌いなフリをしてしまったりするのも、心が一生懸命に自分を守ろうとしている証拠です。

けれども、頭の中だけで「ああでもない、そうでもない」とぐるぐる悩み続けていると、目の前にある現実そのものがだんだんと見えなくなって、心が迷子になっていきます。

相手のちょっとした仕草や行動一つをとっても、「やっぱり私のことなんてどうでもいいんだ」「私は愛されていない」というフィルターを通して見てしまうため

本当の状況が歪んで見えなくなってしまい、すぐそばにある幸せや明るい未来の可能性に気づけなくなってしまうのです。

そうやって、心が一生懸命自分を守ろうとすればするほど、本当に大切な「真実」が霧の中に隠れていきます。

つまり、こうした心の防衛によって「本当のこと」はどんどん見えなくなっていくわけですから……

相談者さんが語る「しんどさ」や「愛されている話」は、防衛システムによって心が傷つかないように作り出した、切ない主観の物語かもしれず

一方で、それは相談者さんにとって「今、感じられている真実」です。

でもだからこそ、タロットを読むならば、断然、この「歪み」に対して敏感になるべきで、そうでないと、「カードをそのまま読む」ことができなくなってしまいます。

「歪み」があることが悪いわけでは決してありません。それは、人が誰しも持っている心のバイアスです。

だからこれは、そのような「歪み」が「ダメ」とか「いい」という話ではなく……

人が抱える認知の「歪み」をどれだけ客観的に捉えられるかは、タロットを「そのままに読む」にも大事だということを、お伝えしたかったのです。

否定でも肯定でもない、一定の境界線を保つ「相槌」を!

もちろん、相談者さんのお話とタロットが見せてくれる印象に矛盾があるからといって、相談者さんの「辛い」「しんどい」という言葉を否定する必要はまったくありませんし、

「彼とはいい関係なんです」「上手くやれていると思うんです」という前向きな気持ちを冷ます必要もありません。

「そうなんですね」「うんうん」とういう「相槌」を打ちながら、相談者さんの心が少しずつほぐれて、本音を話してくれることを見護ることが、なによりも大切です。

その「相槌」は、正しいか間違っているかをジャッジするものではなく、「私はここでお話を聞いているよ」という事実の共有であり

それは

聞き手にとっては「話を聞いています」という意思表示となり
話し手にとっては「話を聞いてくれる」という安心感へと繋がります

ちなみに、「共感する」とは相手の話を受け止めることであって、相手の話と同一化することではないし、ましてや、聞き手が「それは真実である」と真に受けることでもありません。

「共感」を同調と勘違いしてしまうと、お互いに苦しくなってしまいますし、特に占いをする側がそこを混同してしまうと……自分のエネルギーをすり減らしてしまいます。

だからこそ、一定の境界線を保つ「相槌」が、とても大切なのです。

この「相槌」というのは、対人援助職にとって大事とされる「コミュニケーションスキル」でもあるので、ここでシェアしたいと思いました。

セッションのコツは、カードを説明しながら話すこと

カードが教えてくれるメッセージを大切にするからといって、相談者さんの話を否定的に捉え、「それは思い込みだよ」とか「騙されている」などと突き放したり

あるいは、断定的に「あなたは○○だ」や「あなたはこうするべき!」などと、タロットを使って相手を決めつけるようなことは、絶対にあってはなりません。

プロの読み手として大切なのは、それをご相談者さんにどう伝えるかは一旦おいて、まずは自分自身が「カードが教えてくれていること」をそのまま受け取ることです。

相談者の感情に引きずられて、カードの読み手まで一緒になってその世界に迷い込んでしまっては、相談者さんは、せっかくの未来への架け橋を渡ることができません。

読み手側に「カードが教えてくれることをカードを説明しながら話す」という客観的な姿勢があることで、相談者さんも安心して自分を縛っていた「思い込み」の殻から飛び出し、新しい一歩を踏み出せるのです。

カードが教えてくれるメッセージを

「そのまま」受け取る
「そのまま」捉える

ことができるか

そのためには「カードから読んだことを説明できること」は欠かせないし、このブレない姿勢が、相談者さんを縛る「思い込みの呪縛」を解き、よりよい未来へシフトするための第一歩になります。

相談者さんの言葉に寄り添い共感することと、相談者さんのストーリーに同調することは全く違います。

私たちはタロットの扱い手として、カードが示す、耳が痛くとも恵まれた「可能性」から目を逸らしてはならないのだと思います。

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